青色申告に必要な提出書類は?【メリット・デメリットも解説】

確定申告には「青色申告」と「白色申告」と呼ばれる2つの制度があり、個人事業主と法人企業のどちらにも存在します。
ここでは、個人事業主向けの「青色申告」について、必要な提出書類やメリットについて説明いたします。

青色申告に必要な提出書類は?

まず、青色申告とは、日々の取引を記帳する帳簿を複式簿記で作成している場合、様々な税務上の恩恵を受けることができる制度です。

個人事業主で青色申告を行うには、そういった実務上の取組みの他に、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書の届け出」を税務署に提出しておかなければなりません。なお、「青色申告承認申請書の届け出」を提出し一度承認されると、よほどのことがない限り半永久的に青色申告が適用されます。

青色申告のメリット・デメリット

青色申告には青色申告承認申請書の届け出が必要となりますが、果たしてわざわざ提出書類を作成する手間をかけてでも受けた方が得なのでしょうか。
ここでは、青色申告の「メリット」と「デメリット」について解説していきます。

まず、受けられるメリットについては以下の4点があげられます。

  1. 青色申告特別控除
  2. 青色事業専従者給与
  3. 雑損失の繰越と繰戻が可能
  4. 貸倒引当金を計上できる

メリット①青色申告特別控除

「青色申告特別控除」は、複式簿記により記帳をしている場合に限り、通常10万円の控除額が65万円になるものです。不動産所得や事業所得があれば、経費の額に関係なく誰でも受けられます。
65万円を控除すると税額計算の基礎となる所得額がマイナスになるといった場合には、所得が0になるまで引き切ることができます。

メリット②青色事業専従者給与

白色申告の場合、通常は親族に支払った給与の全額を経費として計上することはできません。しかし、「青色専従者給与」として配偶者もしくは親族を届け出ておくことで、全額を経費として計上することができます。

メリット③雑損失の繰越と繰戻が可能

白色申告では、赤字が出たとしてもその赤字を翌年に落ち越すことができません。例えば、前年の申告が赤字で当年が黒字といった場合、白色申告では当年に所得が発生し、納めなければならない税金が発生します。

しかし、青色申告をすれば、前年に発生している赤字を本年の黒字と相殺することが可能です。例えば、相殺後に所得金額が0になった場合には税額は発生せず、さらに引ききれない赤字があれば翌年の黒字額と相殺することが可能となるのです。

メリット④貸倒引当金を計上できる

法人企業の場合は、将来回収できないかもしれない売掛金について、未回収となっても営業利益に影響が出にくいように、法定により定められた一定の率で先に経費として「貸倒引当金」を計上しています。

青色申告をしている個人事業主も、同様に貸倒引当金の計上ができます。貸倒引当金をうまく利用すれば、将来発生するかもしれない、貸倒れによって決算書の見栄えが悪くなることを防げます。

デメリット

最初にお伝えした通り、青色申告を適用するには、事前に「青色申告承認申請書の届け出」を提出する必要があります。
それに加えて、日々の記帳を複式簿記で行っていることも条件として挙げられます。会計ソフト等を利用して帳簿を作成している場合は複式簿記が一般的ですが、確定申告の際に損益計算書のみを作成している、というケースは複式簿記にはなりません。

青色申告に必要な提出書類

実際に青色申告をする際、必要な提出書類は申告書だけではありません。
まず、誰でも必要なのが「青色決算書」です。試算表と呼ばれるものになります。

それ以外は、控除を受けようとする種類によって提出書類が変わってきます。
例えば、社会保険料控除を受けようとするのであれば、年金の控除証明書、生命保険であれば生命保険の控除証明書などがあります。

青色申告の提出書類の一覧

では、実際に青色申告に必要な提出書類とはどのようなものがあるのでしょうか。
必ずしも青色申告者すべてに該当するわけではありませんが、提出書類の種類についてご説明します。

提出書類①確定申告書B

まず、個人事業主や、会社員だが給与所得以外に不動産所得など収入がある場合に必要な提出書類が、「確定申告書B」です。

確定申告書Bは「第一表」と「第二表」の2枚構成で、両方記入しなければなりません。第一表は税額計算と所得の結果を記載する用紙で、第二表には所得の内訳や社会保険料控除の額、扶養親族などを記載します。
確定申告書Bには添付書類台紙が付属しているので、ここに控除証明書などを添付します。台紙には添付すべき書類が記載されているため、該当する場合は添付が必要となります。

提出書類②青色申告決算書

青色申告決算書は売上や経費などの総額を記載し、最終差引をして事業所得を求めるために作成している用紙で、こちらも青色申告には欠かせない提出書類です。
日々帳簿を作成し、その総括として一枚の表に数字を記載して所得を計算します。

提出書類③住宅借入金等特別控除

「住宅借入金等特別控除」は、銀行から住宅ローンを借りて居住用の住宅を建てた場合に、そのローンの残高に応じて所得税を控除するものです。12月31日現在でのローン残高に1%を掛けた金額を所得税から控除します。

住宅借入金等特別控除を受けるための提出書類は、次の6つです。

  • 建築確認通知書の写し
  • 売買契約書、建築工事請負契約書、増改築等工事証明書などの写し
  • 家屋の登記事項証明書
  • 住民票の写し
  • 借入金等の年末残高等証明書
  • サラリーマンの場合は給与所得の源泉徴収票

参照:金融広報中央委員会「知るぽると」

なお、この住宅借入金等特別控除は適用開始年度により適用可能期間が変わってきます。現状は10年の適用となっていますが、令和元年10月1日以降に借入を行った場合はその限りではありません。
そのため、新築の居住用住宅を住宅ローンで購入した場合は、その時点での適応年数が何年なのか、何%控除できるのかなどを確認しておく必要があります。

提出書類④各種控除関係の書類

上記の他に該当する人が多いのが、1年間の医療費が10万円以上であれば受けられる「医療費控除」、健康推進・疾病予防に取り組んでいる人が1年で一般用医薬品を購入していれば受けられる「セルフメディケーション税制」などです。

医療費控除の提出書類は、医療費控除の明細書、源泉徴収票(会社員の場合)、医療費通知です。医療費に係る領収書は提出書類ではありませんが、内容確認のために提出しなければならなくなることがあるため、5年間の保管が必要となります。
セルフメディケーション税制の場合、領収書や結果通知表が提出書類となります。

また、個人事業主の場合は、次のようなものも提出書類となります。

  • 国民年金保険料の控除証明書
  • 自主的に小規模企業共済掛金を支払っている場合はその証明書
  • 生命保険に加入している場合は保険料控除の証明書
  • 自地震保険を支払っているのであれば損害保険会社から郵送されてくる控除証明書

提出書類が揃ったら|青色申告の提出期限

先述の通り、青色申告の場合は、原則としてその年の3月15日までに青色申告承認申請書の届け出を税務署へ提出する必要があります。
新規で開業した場合は、1月1日~15日の間に開業であれば3月15日、1月16日以降に開業なら開業日から2ヶ月以内が提出期限となります。

まとめ

個人事業主にとって多くの税務上の特典がある青色申告。提出書類をまとめて申請する必要がありますが、一度承認されれば半永久的に青色申告での申請が可能となります。
起業する際は、必ず青色申告の申請手続きをすることをおすすめします。

LINEで無料簡単お問い合わせ

ハートランド会計事務所のLINE@を友達に追加して、今すぐ無料で融資相談を受けられます。

友だち追加