<この記事は約 8 分で読めます>
会社設立をする際には様々な手続きがあり、税理士に依頼することで手続きを代行してくれます。
しかし、手続き自体は税理士がやるべきものではないことと、費用が掛かることから、依頼すべきか迷うこともあるでしょう。
ただ結論から申しますと、会社設立時には税理士に依頼すべきです。
この記事では、その理由と税理士の仕事内容、会社設立にあたって税理士に依頼するメリットを紹介します。
税理士の仕事内容
まず、会社設立時に税理士に依頼すべき理由は、
- 会社設立時に発生する登記等の面倒な手続きをしてくれるため、創業者は自分の事業に時間を割くことができる
- 税理士に依頼し関係を築いておくことで、会社設立後に税務顧問契約をする場合にも、会社のことを知っているため心強い
- 創業融資や補助金・助成金を受けたい場合にも、会社の状況を知っているため、申請のサポートもスムーズ
では、税理士に依頼をして請け負ってくれる仕事にはどういったものがあるでしょうか。
ここでは税理士が行っている仕事内容について解説します。
会社設立支援
会社設立する場合に必要になる各種手続きを代行して行ってくれます。
請け負う費用も、会社設立で必要になる諸経費を込みでやってくれることが多いので、あちこちに支払いをしに行く手間が省けます。
会社設立支援内容の内訳
- 定款の作成・認証
会社の情報(社名・事業内容・事業目的・所在地等)やルールを定めたもので、会社にとっての法律のようなものになります。
定款を作成したら、定款の認証手続きを行います。
【関連】会社設立に必要な定款の作り方と認証手続きを分かりやすく解説 - 登記書類の作成・申請
法務局で行う法人登記の手続きに必要な書類の作成や収集を行います。
必要な書類は多く、書類をひとまとめにして製本する必要もあるため手間がかかります。
作成した書類を法務局に提出します。
創業融資や補助金・助成金の申請サポート
会社設立後に資金を調達したい場合に、創業融資や補助金・助成金の申請をサポートしてくれます。
申請に必要な書類を作成してくれるだけでなく、書類の不備がないか確認してくれるため、融資を成功率が高まります。
サポートを受けるには個別に依頼するか、税務顧問契約をする必要があります。
確定申告
事業年度ごとに行う確定申告は「消費税の確定申告」「法人税の確定申告」「住民税の確定申告」「事業税の確定申告」と非常に複雑であるため、企業側で行うのは手間もかかり抜けや漏れが発生しやすいです。
これらを回避するため、税理士に依頼し決算から確定申告までを行ってもらいます。
決算(棚卸)で計上ミスがないように、会計士が立ち会う場合もあります。
税務調査
事業を行い税務申告をしているので、税務署の税務調査を受けなければならないことがあります。
税務調査により、「追徴税額」を受けてしまうと延滞税や不納付加算税等の罰金を支払わなければならなくなります。
法律に従った適切な記帳や申告をしているかをチェックしてくれます。
節税対策支援
税金は非常に複雑で、税金に関する法律も頻繁に改定されます。
節税に有効な施策や最新の法律にあった節税対策を提案してくれます。
【関連】会社設立した場合にかかる税金は?法人と個人事業主それぞれ紹介
【関連】会社設立でできる節税メリットと種類について解説
税理士に依頼するメリット
では、実際に依頼した場合の6つのメリットを解説していきます。
会社設立に必要な書類を用意する手間が省ける
定款の作成や認証、登記申請書の作成や必要書類の用意等、個人でやるには手間も時間もかかってしまいます。
税理士であれば、ほとんどを代行してくれるため、事業に費やす時間を確保できます。
また、申請が通りやすい書類の作成や書類の不備がないため、会社設立にかかる時間も短く済みます。
会社設立後も顧問として契約できる
会社設立時から関わっているため、会社のことを良く知っています。
信頼のおける税理士が顧問になってくれるのは心強いです。
創業融資や補助金・助成金の申請が通りやすくなる
会社設立後に資金が必要になった場合に、創業融資や補助金・助成金の申請サポートを受けられます。
こちらも、会社のことを良く知っているため、申請の通りやすい書類を作成してくれたり、書類の不備がないようにしてくれるため、申請から融資までの時間が短くなります。
確定申告の手間が省ける
確定申告には様々な種類があります。
これらを企業側で行うには手間も時間もかかります。
税理士に依頼することで、各種確定申告に割く時間を事業運営に回すことができます。
さらに、決算や確定申告の漏れや抜けを無くすことができます。
節税対策ができる
節税対策は多岐にわたり、法律も絡むことから非常に複雑です。
頻繁に法改訂も行われるため、企業側が対応していくのは多大な労力が必要です。
税務のスペシャリストである税理士は、最新の法律にあった節税対策の提案を行ってくれます。
企業側は有効な施策で効率的に節税をすることができるようになります。
自覚のない脱税・違法行為を回避できる
税理士に依頼することで、無自覚の脱税や違法行為を回避することが出来ます。
事業を行う上で「知らなかったから」は通用しません。
脱税や違法行為をしてしまうと会社の信用を失うことにもなります。
税理士であれば納税の抜けや違法行為をしていないか、法律的な観点から対応してくれるため安心できます。
税理士に依頼するには
実際に税理士に依頼する場合は、どのようにして税理士を選び、費用はどれくらいかかるのでしょうか。
それぞれ解説します。
税理士の探し方
税理士を探す方法は大きく4つあります。
- インターネットで検索する
- 友人や知人からの紹介
- チラシや広告
- 税理士紹介サービスの利用
インターネットでの検索やチラシ・広告で税理士に依頼する場合は、注意が必要です。
ニセの税理士がサイトを運営していることもありますし、チラシや広告を配っていることもあります。
(郵便物やメールを送ってくることもあります。)
税理士は必ず税理士会に所属しなければならないため、怪しいと思ったら「税理士情報検索サイト」で調べてみるようにしましょう。
登録されているのであれば依頼しても問題ありません。
税理士紹介サービス「全国税理士紹介相談所」を利用する方法もあります。
税理士の相場
個人事業主か法人かで金額は変わり、業務内容や年商の規模でも金額が変わります。
一般的な相場は以下の表を参考にしてください。
当ハートランド税理士法人では、無料で相談を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
【出典】税理士検索freee
まとめ
会社設立時に税理士へ依頼すべきか?について税理士の仕事やメリットと合わせて紹介しました。
会社設立においても必要となる書類は多く、個人で対応するとなると不備があったり、作成や申請に時間を取られてしまいます。
税理士にお願いすることで、手間のかかる手続きを全て行ってくれるため、事業に専念することができます。
税務面は法律が絡み、しかも複雑で頻繁に改定が行われます。
企業側が対応していくには限界があります。
この記事を参考にしていただき、税理士へ依頼するかの検討材料にしていただければ幸いです。
監修:大久保 明信(おおくぼ あきのぶ)
・ハートランド税理士法人 代表社員(近畿税理士会所属、税理士番号:127217)
・ハートランドグループ代表取締役社長
1986年生まれ高知県出身。大阪市内の税理士事務所で経験を積み、2015年に28歳(当時関西最年少)でハートランド会計事務所(現:ハートランド税理士法人)を開業。社労士法人併設の総合型税理士法人として、2024年には顧問先数1,200件を突破。法人の税務顧問を中心に、国税局の複雑な税務調査への対応や経営へのコンサルティング等、顧問先のトータルサポートに尽力中。