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事業を行なっている中で、「税理士を変更したい」と思うことは決して珍しいことではありません。
しかし、税理士を変更したいからと言ってすぐに契約解消できるとは限りません。また、契約解消となると、トラブルが発生する恐れもあります。
そこでこの記事では、
- 税理士変更のきっかけとなるよくある不満・悩み
- 税理士を変更するベストなタイミング
- 税理士を変更する際にトラブルを避けるための注意点
について詳しく解説していきます。
税理士変更のきっかけとなるよくある不満・悩み
税理士を変更する理由はさまざまですが、
- 税理士の報酬が高い
- 節税効果が感じられない
- 資金繰りの手助けがない
- 税理士のレスポンスが遅い
- 税理士の態度が悪い、人として合わない
- 税理士が税務署の言いなりになっていると感じる
などの「報酬(費用対効果)」や「相性」などが多い傾向にあります。
なお、税理士報酬の相場が気になる方は、下記の記事をご覧ください。
【関連】
・個人事業主が税理士と契約する意味はある?4つのポイントで判断しよう
・顧問税理士の役割と契約するメリット・デメリット、報酬相場や選び方は?
税理士を変更するベストなタイミング
「税理士を変更したい」と思っても、変更するタイミングには少し注意が必要です。
確定申告・決算の直前は避ける
確定申告や決算の直前に税理士を変更してしまうと、現在の税理士から新しい税理士への引き継ぎがスムーズにできない恐れがあります。
一般的な税理士事務所や会計事務所の繁忙期は、
- 個人の確定申告がある2〜3月
- 決算が集中しやすい3月
- 決算の申告作業が集中しやすい4〜5月
- 年末調整がある12月
とされています。
確定申告や決算の期限まで2〜3ヶ月ほど余裕を持つとスムーズに話が進みられるため、自社の決算月にもよりますが、税理士を変更する場合は「6月、7月、8月、9月、10月」あたりがおすすめです。
そのほか、売上高が何十億とある会社の場合は引き継ぎにより多くの時間が必要になることが予想されます。少なくとも半年前までには税理士変更の準備をしておきましょう。
なお、確定申告や決算が直近である場合は、現在の税理士に依頼することをおすすめします。
空白期間ができないようにする
税理士と契約していない期間に税務調査などで税務署から連絡がくる可能性もあるため、次の税理士との契約をするまで、なるべく空白期間を空けない方が良いでしょう。
契約解消の手続きが完了する前に新しい税理士を決めておくことをおすすめします。
税務調査が入る可能性が高い時期については、下記の記事をご覧ください。
【関連】税務調査の時期はいつ頃が多い?法人と個人事業主で違いはある?税理士が解説
税理士を変更する際にトラブルを避けるための注意点
一般的な税理士変更の流れは、
- 契約解除を希望する旨を伝える
- 預けている書類の返却してもらう
- 新しい税理士と契約を結ぶ
となります。
ここでは、上記の手順に加えて、税理士を変更する際のトラブルを避けるための注意点について解説していきます。
現在契約している税理士について
税理士を変更する際の注意点は、以下の通りです。
契約書の内容を確認する
税理士を変更したいと思った際にまず行いたいことは、契約書に違約金や契約解消の通達期限などの記載がないかの確認です。
例えば、「契約解消したい場合は◯ヶ月前までに通達する」といった記載があった場合、急に変更することはできません。
預けている書類の返却してもらう
税理士と顧問契約を結んでいる場合、会社の重要書類を渡しているケースがほとんどです。
- 請求書や領収書などの金銭面の記載があるもの
- 年末調整関係書類や扶養控除申告書などの給与関係書類
- 内訳明細書や固定資産台帳など決算書
- 総勘定元帳、試算表、仕訳帳など
- 法定調書や消費税関係などの税務署に提出した書類
- 会社の定款や登記簿謄本
などの書類は、契約を解消する前にすべて返却してもらうようにしましょう。
契約解消したい理由を具体的に伝える
長年付き合っている税理士には契約解消の旨を伝えにくいかと思いますが、契約解消の要望に対して異議申し立てをしてくることはほどんどないでしょう。
ただ、税理士も人間ですので、伝え方は冷たくならないように注意し、契約解消したい理由をできるだけ具体的に伝えましょう。
一方的に解約することを告げると、新しい税理士への引き継ぎがうまくいかないなどのトラブルに発展する恐れもありますので、注意が必要です。
次に契約する税理士について
次に契約をする税理士ついてもいくつか注意点があります。最低限、以下の点は確認しておきましょう。
得意分野・不得意分野の把握する
税理士といっても、得意分野・不得意分野は人それぞれ異なります。例えば、「税務調査対策には強いけれど資金調達に関してのアドバイスが不得意」などです。
現在の税理士に不満があって変更するのですから、次は会社に合った税理士と契約できるよう、ホームページ等で得意分野・不得意分野をしっかりと把握しておくことが大切です。
期待している業務内容や成果を具体的に伝える
新しく契約を結ぶ税理士には何を期待しているのか、どのような成果を得たいのかなど、具体的に伝えることが大切です。
以前契約していた税理士への不満などを踏まえたうえで、「これだけは譲れない」という要望をできるだけ詳しく伝えましょう。
対面で面談をする
新しい税理士に依頼するうえで、対面での面談をすることはとても大切です。
依頼したいと考えている事務所や税理士の雰囲気はどうか、自社や自身との相性は良さそうかなど、最低1回は実際に会って相手の印象を確かめることをおすすめします。
大阪で顧問税理士をお探しならハートランド税理士法人へ
今回は、「税理士を変更する際の注意点やタイミング」について解説してきました。
税理士を変更したい場合は、税理士事務所や会計事務所の繁忙期とされる12月〜5月付近は避け、変更したい理由を具体的に伝えることが大切です。
また、新しい税理士と契約する際は、ホームページなどで税理士の詳細を確認し、対面で面談するようにしましょう。
当事務所は、さまざまな分野のある中でも、特に資金調達(融資、補助金、助成金など)のサポートや経営へのコンサルティング、クラウド会計の導入支援や経理代行などを得意にしております。
そのほかにも、さまざまな士業と密に連携をとりあう総合型の税理士法人ですので、税理士の変更を検討されている場合は、ぜひハートランド税理士法人の無料相談をお気軽にご活用ください。
監修:大久保 明信(おおくぼ あきのぶ)
・ハートランド税理士法人 代表社員(近畿税理士会所属、税理士番号:127217)
・ハートランドグループ代表取締役社長
1986年生まれ高知県出身。大阪市内の税理士事務所で経験を積み、2015年に28歳(当時関西最年少)でハートランド会計事務所(現:ハートランド税理士法人)を開業。社労士法人併設の総合型税理士法人として、2024年には顧問先数1,200件を突破。法人の税務顧問を中心に、国税局の複雑な税務調査への対応や経営へのコンサルティング等、顧問先のトータルサポートに尽力中。