【創業融資の返済期間を延ばすテクニック】伝授します!

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創業融資を受ける際、より多くの融資額を調達できるようにすることは大切です。
しかし、返済期間をできるだけ長く設定することも、返済に無理が生じないようにするためにとても重要なことです。

今回は返済期間を延ばすテクニックを分かりやすく解説していきます。

返済期間を設定する方法とは?

融資を受ける際の返済期間を最終的に決定するのは、金融機関です。
そのため、返済期間の条件を有利に進めるためには、事業計画書や面談時の応答の仕方を充実させることが必要です。

それ以前にまず、返済期間の基準となるのは、月々の返済に割り当てられる金額です。
返済可能な金額であるかどうか、最初のステップとして、返済の元手となる返済原資を割り出します。

返済原資とは、月々得られる利益及び減価償却費を合わせた金額です。
特に内装工事や機器の購入などの設備投資を行わない場合には、月々の利益がそのまま返済原資となります。
しかし、このように算出した返済原資をそのまま返済に当ててしまっては、利益が発生した際の所得税及び事業税を支払うことができないだけでなく、生活することもできません。

そこで、税金や生活費、想定外の費用、さらには設備投資をしたときに将来発生するであろう更新費用も加味する必要があります。

すなわち返済原資-(税金+生活費+想定外の費用)が月々の返済可能な金額ということです。

通常の返済期間は5〜10年 

一般的に返済期間は、5年から10年に渡る返済期間に設定することが一般的です。
その他に、100回払いなどの回数で返済するといった選択も行われています。

それを踏まえた上で、毎月返済できそうな金額を、返済原資から生活費や税金、その他の費用を差し引いた形で計算し、返済が全て完了する期間を割り出すのが一般的です。

しかし、追加の融資を検討しているなどの状況によっては返済期間を見直す必要があります。

追加融資を検討する場合の返済期間

創業融資制度に基づく最長期間を選択することで、余裕のある返済プランにすることができます。
しかし、今後において追加の融資も考えているのであれば、むしろ返済期間を縮めたほうが良いでしょう。

追加で融資が通るようにするためには、最初の融資の返済の完了率が30%以上であることが求められます。
返済期間を短くすることは、返済実績を早めに作ることにつながります。

最長の返済期間

創業融資では、運転資金では最長7年返済、設備資金では最長10年返済となっています。
日本政策金融公庫の場合は、設備資金においてはさらに長く設定できるようになっています。

運転資金とは

最長の返済期間は7年となります。
運転資金としては以下のものが挙げられます。

  • 商品等の仕入や販売にかかる費用
  • 広告などの宣伝費用
  • 人員の募集や教育、報酬などの事業の人材にかかる費用
  • 土地建物に関わる費用(礼金や仲介手数料など)
  • 保険料(火災保険、地震保険など)

資金の規模は、見込みとして算出される月間売上の3倍以内に収めるのがよいでしょう。

設備資金とは

最長の返済期間は10年となります。
事業を行う形態が店舗を伴う場合に、設備資金として以下のものが挙げられます。

  • 店舗の内装費用(業種により内部の装飾費用の規模が変わってきます。)
  • 店舗の外装費用
  • 販売やサービスを行うための什器や備品、機器全般。
  • ポスレジや事務用品、経理用のパソコンやプリンター。
  • 自動車

据置期間を利用してみよう

据置期間とは、金利のみの返済が可能な期間を表します。

据置期間を利用することで、返済開始の最初の月から所定の期間は金利のみの返済で済ますことができます。
据置期間が過ぎた後は元金と金利を合わせて返済していきます。
創業しても事業がすぐに軌道に乗るわけではなく、売上には直結しません。
安定するまでの返済の負担をやわらげるためにある制度で、これを利用しない手はありません。

この据置制度自体は、金融機関からアナウンスされるものではなく、申請者の方で意思表示することで初めて据置期間について審査されることになります。
申請には、申込書類や事業計画書に据置期間を盛り込む必要がありますが、必ずしも希望する据置期間がそのまま認められるということではありません。
金融機関の方で短めに設定されることもあります。

ちなみに新創業融資制度を利用した場合の据置期間は、運転資金では最長1年、設備資金では最長2年となっています。

返済期間をより有利にするには専門家へ相談しよう

創業融資を受ける際、専門家に頼らず自力で申請する方が面接時に専門家の受け売りではなく、自分の言葉で対応ができるためよいという説があります。

しかしながら、現実問題として、専門家を使わず申請をして審査を通るのは、非常に難しいです。
それは日本政策金融公庫の例で言えば、専門家などの認定支援機関を経由して融資申請することを前提とする融資制度があるからです。
自力での申請にこだわるのは、申請できる融資制度の幅を自ら限定することになります。

専門家を利用することで、通常の審査では通らない状況でも、その専門家が日本政策金融公庫の審査担当者から信頼を勝ち得ていると、申請者に対して審査が通りやすくなることもあります。
審査担当者から信頼を得ているということは、これまでのクライアントの申請において、事業計画が審査担当者の目にかなうものになっていたということです。
そうした専門家のアドバイスの元で作成する事業計画及びそれに伴う返済期間は、審査に通りやすいものとなります。

専門家を選ぶ時のポイント

認定支援機関それ自体には、多くの税理士が登録しているため、認定支援機関というだけで専門家を選んだところで必ずしも審査に有利になるとは限りません。
そこで審査に通る事業計画を作成できる専門家を見極めることが大切です。
審査に通るかは、全て事業計画書にかかってきます。
事業実績がない申請者に対して、融資を行うかどうかを判断する材料は事業計画書しかないからです。

そのため事業計画書及びそれに伴う返済期間を充実させるためには、どういった項目が審査の対象なのかを見極める必要があります。
募集要項を熟読することで審査対象となる項目を分析し、リストアップすることになりますが、素人はもちろん多くの専門家がそれらの洗い出しがうまくできていないのが現状です。
一方で審査に通過した実績のある専門家は、リストアップを行い事業計画書に全審査項目を記載することを行っています。
この全審査項目を洗い出すことができる専門家かどうかが判断材料となります。

この専門家のアドバイスに従った上での返済期間は非常に説得力をもたらすものになるでしょう。

まとめ

返済期間を最終的に設定するのは金融機関ですが、「月々の利益及び減価償却費を合わせた返済原資から、税金及び生活費やその他の出費を差し引いたものが、運転資金や設備資金それぞれの最長の返済期間内で完済できるかどうか」がポイントとなってきます。

そのために創業後の金利のみの返済だけで済む据置期間を有効に活用し、返済のための体力をつけていくことも大切です。
また返済期間をより有利にするために、専門家のアドバイスを求めながら事業計画書に基づく返済期間を充実したものにしていきましょう。

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