<この記事は約 10 分で読めます>
事業を行うにあたって毎年必ず提出しなければいけないものが確定申告書類。作成するだけでも時間がかかってしまうため、本業に携わる時間が削られてしまうのが悩みどころです。
そこで、確定申告に負担を感じている方は税理士に丸投げするのがおすすめです。
この記事では、
- 確定申告で税理士に丸投げできること
- 丸投げする際の注意点
- 確定申告を税理士に丸投げするメリット・デメリット
- 確定申告を税理士に丸投げした際の費用(報酬)相場
について詳しく解説していきます。
確定申告で税理士に丸投げできること
確定申告で税理士に丸投げできる業務は以下の3つです。
- 税務代理
- 税務書類の作成
- 税務相談
上記は税理士の独占業務とされており、それ以外の第三者に依頼することは法律で禁止されているので注意しましょう。
それではひとつずつ解説していきます。
税務代理
税務代理とは、税金の申告や申請を本人に変わって税務署とやり取りする業務のことです。
本来、確定申告書類は納税者自身が税務署へ提出する必要があります。
その点、税理士に依頼すれば納税者に代わって確定申告書類を提出してくれるだけでなく、税務署との対応も代理で行ってくれます。
税務書類の作成
税務書類の作成も税理士が引き受けてくれます。
税務書類とは以下のような書類のことです。
- 確定申告書類
- 決算書
- 月々の経理に関する書類
基本的に依頼者は税理士に上記のいずれか、もしくはすべての作成を依頼します。書類作成の範囲によって税理士へ支払う費用も変わってくるため、どこまで依頼したいか相談してみる必要があります。
税務相談
事業に関わる税務相談も引き受けてくれます。
税法は毎年のように変更があるため、その都度新しい知識をキャッチアップするのは大変です。
その点、税理士は税金のプロとして最新の税法を元に税金申告や節税のアドバイスをしてくれるため、事業において心強い味方となります。
丸投げする際の注意点
税理士に確定申告の丸投げをする際の注意点は3つあります。
- 書類の整理
- 書類の保管
- 経費の説明
ひとつずつ解説していきます。
書類の整理
売上伝票や領収書など、税理士に提出する書類は分かりやすく整理しておきましょう。。
ごちゃごちゃした状態で書類を渡してしまうと、税理士は整理するところから始めないといけないため、余計な手間が掛かってしまいます。
税理士に書類を渡す際は最低限、
- 月ごとに分ける
- カテゴリーごとに分ける
- プライベートの領収書は取り除いておく
といった方法で整理しておきましょう。
誤記入・記入漏れなどを防ぐためにも、書類は整理した状態で渡してあげましょう。
書類の保管
確定申告に関する書類は一定期間の保管義務が決められているため、税理士に確定申告を丸投げする場合でも書類は必ず保管しておきしましょう。データで丸投げする場合でも同様です。
保管義務年数は以下の表のとおり、書類の種類によって異なります。
「税理士に丸投げしたから保管しなくてもいい」ということは無いので、必ず指定された期間は保管しておきましょう。
経費の説明
事業に関わる経費精算をした際の領収書を税理士に渡すときには、「事業にどう関わっているのか」を説明するようにしましょう。
説明が無いと税理士側が事業に関係あるのか判断できず、正確な記帳が難しくなってしまいます。
特に説明が必要なのが、事業に直接関わっていないように見える必要経費です。
例えば、フリーライターとして地方取材のために宿を取ったとします。その際、宿の領収書を説明も無く税理士に渡してしまうと、プライベートで旅行したものと誤解されてしまう恐れがあります。
特に依頼初年度は税理士側もあなたの事業を理解していない状態のため、一つ一つの経費に対して「事業に必要である理由」を説明しておいた方が親切です。
なお経費を上げるにあたって「これは経費に含まれるのか?」と疑問が出てくることもあるでしょう。そのような時は税理士に相談してみましょう。
経費として認められなかったり、逆にならないと思っていたものが認められたりします。
確定申告を税理士に丸投げするメリット・デメリット
確定申告を税理士に丸投げするのはメリット・デメリット両方あります。
それぞれを加味した上で税理士に依頼するか否か判断しましょう。
3つのメリット
本業に集中できる
確定申告の作業は人的なリソースが割かれてしまうため、その分だけ本業が疎かになってしまうでしょう。
しかし、確定申告を税理士に丸投げすれば、経営者および社員は本業に集中できるため、今以上に利益を上げられる可能性があります。
税理士に依頼するコスト以上の利益が見込めそうであれば、確定申告を丸投げした方が生産性の高い事業活動ができるでしょう。
正確な申告ができる
正確な申告ができることも、税理士に丸投げするメリットと言えます。
ご自身で確定申告をする場合、どうしても誤記入・記入漏れ等が生じてしまう恐れがあります。さらに、経費計上したものが認められなかった場合には、税務調査に入られるリスクもあるでしょう。
しかし、税理士に確定申告を丸投げすれば正確に記帳・申告しくれるため、税務調査に入られるリスクを減らすことができます。
【関連】税務調査に入られる確率と頻度は?国税庁の統計から見えてくる傾向を税理士が解説
確定申告書の作成に苦手意識があったり、過去にご自身で確定申告をおこない税務調査に入られてしまった経験があったりする方は、税理士への丸投げを検討してみましょう。
合法的に節税ができる
合法的に節税ができることも、税理士に確定申告を丸投げするメリットです。
当然ながら税理士は我々よりも税法の細かいところまで熟知しているプロです。つまり税理士に依頼することで税法を最大限に活用することができます。
節税の手段としても、税理士への丸投げを検討してみましょう。
2つのデメリット
コストがかかる
税理士に依頼するか否かを判断するポイントは「確定申告を依頼する時間分で税理士へ依頼したコスト以上に稼げるかどうか」が分かりやすいでしょう。
以下の記事で税理士に依頼する際のポイントを解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
【関連】起業するときには税理士と顧問契約すべき?メリット・デメリット、契約する目安や選び方を解説
なお税理士へ支払うコストは事業規模によって異なります。
後述で税理士へ依頼する場合の費用の相場をまとめているので、そちらを参考にしてみてください。
税務知識が身につかず事業の全体像が把握できない
ご自身で確定申告を行う場合、事業におけるお金の流れや課税される要因がはっきり分かるようになるでしょう。
しかし、税理士に丸投げしてしまうと日ごろのお金の流れを見る習慣が無くなるため、事業の全体像を把握しづらくなります。
そのため税理士に確定申告を丸投げする場合でも、日ごろから税務に関するアドバイスをもらうなどして、対策を取るのがおすすめです。
確定申告を税理士に丸投げした際の費用(報酬)相場
確定申告を税理士に依頼した場合の費用相場は以下の通りです。
事業者の年間売上 | 記帳代行(月額) | 申告代行(年額) |
~1,000万円 | 6,000円 | 76,000円 |
1,000~3,000万円 | 7,000円 | 96,000円 |
3,000~5,000万円 | 10,000円 | 116,000円 |
5,000万円~1億円 | 13,000円 | 145,000円 |
上記の通り「日々の記帳は自分でして確定申告だけ丸投げ」した場合と「日々の記帳から確定申告まで丸投げ(顧問契約)」の場合で異なります。
実際にかかる費用は事業規模によって異なるので、詳しい金額を知りたい方はハートランド税理士法人までご相談ください。
【関連】税理士に確定申告を依頼した場合の費用の相場、メリット・デメリットは?
大阪で確定申告を丸投げしたい方はハートランド税理士法人へご相談ください
確定申告を丸投げするにあたってはメリット・デメリットがあるので、依頼する際はそれらを加味した上で検討する必要があります。
税理士に依頼すれば正確に申告ができる等のメリットがある一方、余計なコストがかかることもあります。
税理士に依頼すべきか迷われている方は、まずハートランド税理士法人へお気軽にご相談ください。
確定申告の対応以外にも資金調達やクラウド会計導入支援なども承っております。
問い合わせは電話・メール・LINEなどさまざまなツールに対応しておりますので、お客様のご都合のよろしい方法でご相談ください。
監修:大久保 明信(おおくぼ あきのぶ)
・ハートランド税理士法人 代表社員(近畿税理士会所属、税理士番号:127217)
・ハートランドグループ代表取締役社長
1986年生まれ高知県出身。大阪市内の税理士事務所で経験を積み、2015年に28歳(当時関西最年少)でハートランド会計事務所(現:ハートランド税理士法人)を開業。社労士法人併設の総合型税理士法人として、2024年には顧問先数1,200件を突破。法人の税務顧問を中心に、国税局の複雑な税務調査への対応や経営へのコンサルティング等、顧問先のトータルサポートに尽力中。