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これから新たにお店のオープンを検討しているが、創業資金について悩んでいる…という方は多いのではないでしょうか。
不動産契約や店舗内装工事、人件費など創業初期は特に資金が必要になります。
また、個人的なローン等とは全く異なっており、どこからどんな条件で融資を受けることができるのかはとても複雑です。
そこで今回は、開業資金を集めるための資金調達の方法(特には金融機関からの融資)をご紹介します。
今後融資をお考えの方はぜひ参考にしてみてください。
1.日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は政府が100%株式を保有している金融機関で、創業期の法人や個人に対して事業融資を行なっています。そのため年利は約0.5~3.0%と大幅に低く審査自体も比較的緩いため、始めて融資を受ける際には最も良いと言えます。
特徴としては民間金融機関と違い、事業の育成を目的にしているので、他の金融機関であれば融資がされづらい小規模な事業でも融資される可能性が高く、調達希望金額が1,000~2,000万円までであれば利用すべきです。
審査期間は、平均1ヶ月程度となっています。
2.友人・家族
友人もしくは、家族から資金援助をお願いする方法です。
前提としては、必要となる資金を持っていることが条件になりますが、返済期間や金利の条件が設定しやすく安全性は高いと言えます。
ただしっかりとした信頼関係があったとしても、金銭が絡む話ですので後から返済金額を多く請求されたり、裁判になったりとトラブルになる可能性も考えられます。
もしこちらの方法を行う際は、簡易的にでも誓約書などの準備をしておくことをお勧めします。
3.民間金融機関
民間金融機関とは、民間が運営している一般的な金融機関になります。
民間金融機関は、融資先の企業や事業者からの金利収入が利益となっているため、日本政策金融公庫などと比較すると審査がとくに厳しくなっています。
ただし審査自体に通れば金利はとても低く、事業のアドバイスなども受けやすいです。
3-1.信用金庫
こちらは地域密着型となっているため、その地域で事業を行う法人・個人のための金融機関です。
融資を受けている事業者層は主に、個人事業主〜中小企業が多く、地方銀行や都市銀行よりも融資が受けやすいと言えます。
まず民間金融機関から融資を受けるのであれば、お近くの信用金庫にご相談ください。
3-2.地方銀行
こちらも信用金庫と同じく地域密着型となっているため、地元の企業が融資を受けている場合が多いです。
ただ、主に中小企業が多いため、これから法人化して売上を伸ばしていく新規事業者の融資実行のハードルは高くなっています。
一般的には、都市銀行よりも融資が受けやすいと言えます。
3-3.都市銀行
かなり大きな金額を融資することが多く、大企業が主な取引先となります。
多額の資金調達をする場合はおすすめですが、創業期は、返済実績と信用を持ち合わせていないため取引は難しいです。
もしご相談する際は、他の金融機関から融資を受け返済後であり、事業年数や売上が上がり、信用を築いた後に利用を検討されることをお勧めします。
4.クラウドファンディング
クラウドファンディングは、ネットに用意されたプラットホーム上で不特定多数の個人もしくは法人から資金を集めることです。
基本的にノーリスク行えるのが強みですが、40万円〜100万円ほどの調達が多く、大きな金額ほど調達は難しくなってきます。
また確実に資金を集められる保証はないので、利用を検討する際は慎重に決断してください。
最近では様々な形式のクラウドファンディングが生まれていますが、クラウドファンディングをあまり知らない方のために今回は一番有名な3つをご紹介します!
ぜひ一度チェックしてみてください。
4-1.CAMPFIRE
CAMPFIREは、国内で最も有名なサイトで、社会貢献や地域活性化など色々なプロジェクトを行なっているクラウドファンディングです。
2019年1月時点で、プロジェクト数18,000件、支援者数960,000人、流通総額約95億円となっています。
総合的にジャンルを選ばず利用できるため、クラウドファンディングを使うか迷われたら、まずはこちらをお勧めします。
また、資金調達がうまくいきやすいように、マーケティングのサポートもしてくれるところも強みです。
4-2.Makuake
Makuakeは、サイバーエージェントが運営する国内資金額ナンバー1のクラウドファンディングです。
飲食やアパレル、小物などの販売が圧倒的に多く、これから物販をされる方や飲食業をされる方にはお勧めです。
4-3. Readyfor
Readyforは、名前の通り女性に特化したクラウドファンディングです。
また、社会貢献のプロジェクトを中心とした寄付型のReadyfor Charity、ガバメントクラウドファンディングのReadyfor ふるさと納税、大学に特化したクラウドファンディングReadyfor Collegeなども展開しています。
5.創業融資のサポートを行なっている税理士事務所
各金融機関からの資金調達を手伝ってくれる税理士事務所があります。
基本的にはご自身で書類などを作成し、面談や申請などを金融機関の担当の方と行なっていくのですが、融資に強い税理士が間に立ってアドバイス、調達資金の増額、面談対策などあらゆる細かいとこまで支援してもらえます。
もちろん依頼料で少額の支払いが必要だったり、調達額額の数%を支払うなど費用はかかります。
しかし確実に資金調達を成功させたい場合、資金調達の書類や規定などはかなり煩雑なので、細かいことが苦手という方はお近くの創業融資に特化した事務所に一度ご相談されることをお勧めします。
6.まとめ
今回はまだ資金調達をされたことのない方のために簡単に調達検討先をまとめてみました。
今回記載のない調達方法や細かいテクニックは、まだまだ多くあります。
これからどの業種でどのように開業するかなど、状況や相性によっても融資を依頼する先が異なってきます。
実際に融資を受けようとするとわからないことが多いと思いますので、しっかりと知識を得て行動し、それでも自分自身で資金を得ることが難しい場合は専門家に頼ることをおすすめします。
自分にあった資金源を見つけて、これからの事業のお役に立てることを願います。
監修:大久保 明信(おおくぼ あきのぶ)
・ハートランド税理士法人 代表社員(近畿税理士会所属、税理士番号:127217)
・ハートランドグループ代表取締役社長
1986年生まれ高知県出身。大阪市内の税理士事務所で経験を積み、2015年に28歳(当時関西最年少)でハートランド会計事務所(現:ハートランド税理士法人)を開業。社労士法人併設の総合型税理士法人として、2024年には顧問先数1,200件を突破。法人の税務顧問を中心に、国税局の複雑な税務調査への対応や経営へのコンサルティング等、顧問先のトータルサポートに尽力中。