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資金調達は、企業にとっての永遠のテーマです。
特に、創業時には信用も無く、資金調達にどうしても苦労してしまいます。
そこでおすすめなのが、専門家に依頼する方法です。
専門家ならば知識や経験を活かして資金調達をサポートしてくれるため、融資が実行される可能性もアップします。
メリットばかりが目立つ専門家への依頼ですが、少なからずデメリットが存在することも知っておかなくてはいけません。
そこでこの記事では、資金調達を専門家へ依頼する場合のメリット・デメリットや、専門家の選定方法などの情報を徹底解説していきます。
資金の調達を専門家に依頼するメリット5つ
まずは、資金調達を専門家に依頼するメリットをみていきましょう。
①資格を持った専門家から的確なアドバイスを貰える
資金調達の専門家は、税理士や行政書士など国家資格を有する方が多いです。
そのため、資金調達の可能性を上げるための、専門的な知識を活かした的確なアドバイスを受ける事が可能となっています。
②より精巧な事業計画書が作成できるようになる
融資の申し込みなどを行う際に、多くの方が苦戦してしまうのが事業計画書の作成です。
やっと苦労して作成したとしても、「審査側の着目ポイントとは異なる内容に仕上がってしまった」というケースになることも珍しくありません。
専門家に依頼すればただ作成するだけではなく、どこを注力して記載すべきかなど担当の目を引く的確な事業計画書を作成する事が可能となります。
③金融機関に同行してもらえる
初めての融資の面談には、多くの方が緊張や不安を持ってのぞみます。
また、事前にシミュレーションしていた事が話せず、後ほど悔やむケースも珍しくありません。
専門家に依頼すれば、金融機関との面談に同行してもらう事も可能となります。
隣から専門家がアドバイスをしてくれるため非常に心強く、担当者からの質問にも的確に答える事ができるようになります。
④通常よりも金利が安くなることがある
全ての専門家にあてはまる事ではないですが、経産省認定の経営革新等支援機関に依頼する場合は、通常よりも金利が優遇される可能性もあります。
どの専門家に依頼するか悩んでいる場合は、経営革新等認定支援機関であるかを判断基準にするのも一つの手段です。
⑤資金調達までの時間を短縮できる
素人と専門家を比較すれば、当然ながら専門家へ依頼した方が早く資金を調達する事ができます。
資金の調達は、早いに越した事はありません。
よりスピーディーな資金調達を求めている場合は、専門家に依頼した方がいいでしょう。
資金調達を専門家に依頼するデメリット2つ
このように、専門家への依頼は沢山のメリットがあります。
しかし、その反面デメリットも発生することを知っておきましょう。
①コストがかかる
自分で全ての手続きを済ませ融資を受けることができれば、最低限のコストで資金を調達する事ができます。
しかし専門家に依頼すると、資金調達時に依頼料や報酬を支払う必要があります。
また、その料金形態も「固定の着手金+成功報酬型」や「完全成功報酬型」、「顧問必須型」など事務所や会社によって様々です。
そのため、どの程度のコストがかかってくるかを事前にしっかりと調べておく必要があります。
②専門家を選定する必要がある
資金調達の専門家と言っても、実はそのジャンルに属する人は幅広く存在します。
一般的には『税理士』や『行政書士』が専門家と呼ばれていますが、その他にも資金調達のコンサルティング会社などもあります。
それぞれの事務所や会社によって特徴が異なるので、より良い相手に依頼するためにも専門家は自身で選定する必要があります。
専門家を選定する基準は?
専門家を選定する場合は、以下のような点に注視する事を推奨します。
認定支援機関を取得しているか?
前述の通り、専門家の中には経産省の認定を受けている経営革新等支援機関(認定支援機関)も存在します。
認定支援機関ならば金利が優遇される可能性もあります。
また、中には認定支援機関しか申請できない融資や補助金などもあるのです。
そのため選択するならば、当然メリットの多い認定支援機関の事務所や会社の方がおすすめです。
これまでの実績の有無
専門家を選定する際に、必ず確認しなければいけないのがその事務所や会社の『実績』です。
助成金や補助金、融資などによる資金調達をどれだけ成功してきたかが大事なポイントとなります。
基本的に、一度融資に失敗してしまうと再審査を受けるまでに時間がかかってしまうものです。
また当然ですが、2度目以降は融資のハードルも上がってしまいます。
そのため、できるだけ経験豊富で、尚且つしっかりとノウハウを培っている専門家へ依頼し一度で融資を成功させることが重要となります。
資金の調達の可能性を1%でも高めたいなら、専門家への依頼がおすすめ
資金の調達を専門家へ依頼する場合、成功報酬などのコストの発生や、依頼先を選定する時間・手間がかかってしまうなどのデメリットがあります。
ですが、そもそも資金を調達できなければ事業を開始できない、または事業を継続できないという状況ならば、専門家へ依頼し資金調達の可能性を1%でも上げることを検討すべきでしょう。
専門家を頼った資金の調達は、個々の状況に合わせての利用をおすすめします。
監修:大久保 明信(おおくぼ あきのぶ)
・ハートランド税理士法人 代表社員(近畿税理士会所属、税理士番号:127217)
・ハートランドグループ代表取締役社長
1986年生まれ高知県出身。大阪市内の税理士事務所で経験を積み、2015年に28歳(当時関西最年少)でハートランド会計事務所(現:ハートランド税理士法人)を開業。社労士法人併設の総合型税理士法人として、2024年には顧問先数1,200件を突破。法人の税務顧問を中心に、国税局の複雑な税務調査への対応や経営へのコンサルティング等、顧問先のトータルサポートに尽力中。