経理代行にはどこまで依頼できる?料金相場やメリット・デメリット、導入の流れについて

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事業を行う上では、経理業務が不可欠です。

しかし、経理業務は作業が複雑ですし、専門的な知識も必要なため、自社で行おうとすると苦慮することが多いでしょう。

経理業務が負担となっている場合は、経理代行を依頼するのがおすすめです。

この記事では、

  • 経理代行とは
  • 経理代行に依頼できる仕事
  • 経理代行に依頼できない仕事
  • 経理代行のメリット・デメリット
  • 料金の相場
  • 経理代行を依頼する際の選択肢とそれぞれの特徴
  • 経理代行を導入のする際の流れ
  • 経理代行導入後の流れ

これらのことを解説していきます。

経理代行とは

経理代行とは、会社の事務作業を外部の業者や税理士に代行してもらうことです。

経理を自社で行なっていると、「作業量が多くて業務が回らない」「担当者の退職などで経理業務をできる人がいなくなった」といった場面で困ることがあるでしょう。

経理代行を依頼すれば、経理担当者を雇う必要がなくなり人件費などのコストが削減されますし、経理を行わなくていい分作業効率も上がります。

経理代行に依頼できる仕事

経理代行に依頼できる仕事は、以下の通りです。

項目内容
記帳処理・現金出納帳・預貯金出納帳への記帳
・売り上げ・仕入れの計上
・領収書・請求書の管理
決算書、税務申告書の作成・記帳内容の精査から書類作成までを代行
給与計算・従業員に支払う毎月の給与を計算
売掛金・買掛金管理業務・売掛金の請求・入金漏れ
・買掛金の支払い漏れの確認・管理
年末調整・源泉所得税の還付額や徴収額の計算

経理業務はさまざまなものがあり、すべてを自社で行うと時間がかかってしまいます。

仮に月20時間かかっていたとしたら、その分他の業務を行えなくなっているということです。

経理にかけている時間を他の業務に使って生産性を向上させたい方は、経理代行を検討してみるとよいでしょう。

経理代行に依頼できない仕事

経理代行で依頼できない仕事は、以下の通りです。

項目内容
資金調達支援・融資の申し込み、銀行との交渉
予算管理・予算の決定、軌道修正などの管理業務
資金運用・投資やM&Aの資金運用

上記で紹介している仕事は、財務関係の業務です。

経理代行はその名のとおり経理業務の代行なので、財務関係の業務は範囲外です。

ただ、上記の仕事も、税理士と顧問契約を結んでいれば外注可能です。財務関係も含めて外注したい場合は、経理代行もしてくれる顧問税理士との契約を検討してみるといいでしょう。

【関連】顧問税理士の役割と契約するメリット・デメリット、報酬相場や選び方は?

経理代行のメリット・デメリット

ここからは、経理代行のメリット・デメリットを順番に見ていきましょう。

メリット

経理代行を依頼するメリットは、以下の通りです。

  • 人件費などコストの削減ができる
    …経理代行を依頼すると、会社で経理担当者を雇わなくてよいため、給与や保険などの人件費を削減できます。
  • 業務に集中できる
    …会社によっては経理担当者がおらず、経営者や一般社員が経理を行う場合もあるでしょう。経理代行を依頼すれば自社で行う必要がなくなり、本来の業務に集中できるので生産性を高められます。
  • ミスを事前に防げる
    経理は簿記や法律の専門知識も必要で、素人が行うとミスが発生しやすい業務です。経理代行はプロが行なってくれるため、ミスを事前に防げます。
  • 素早い経営判断ができる
    毎月の財務状況や利益をすぐに確認できるため、素早い経営判断が可能となります。

デメリット

経理代行を依頼するデメリットは、以下の通りです。

  • 依頼にコストがかかる
    …経理代行は外部への委託なので、別途依頼のための料金が必要です。経理担当社員を雇うよりは少ないコストですが、費用がかさむことはデメリットといえます。
  • 自社でノウハウを蓄積できない
    …会社で経理担当者を雇っていると、社内に経理業務のノウハウが蓄積し、次の担当者への引き継ぎも行いやすくなります。しかし、経理代行に依頼しているとノウハウが得られず、経理担当者を育成できません。自社内でスムーズに経理を行えなくなることはデメリットと言えるでしょう。

料金の相場

経理代行の料金は、どの業務を依頼するかによって異なります。

経理代行の業務ごとのおおまかな料金相場は、以下の通りです。

項目料金相場・備考
記帳代行・15,000円
100仕訳程度あることが条件
経理代行全般・月5万円〜
事務所・業者のサービスによって差がある
決算書作成、申告業務・10万円〜
記帳と決済書作成のみなら10万円、法人税の申告までなら18万円程度
給与計算・1人900〜2,000円/人
従業員規模によって異なり、増えるほど高い金額になる
税金の支払いネットバンキング:1件98〜490円
ネットバンキング以外:1件1,000〜2,000円
年末調整・1人3,000円
従業員規模によって異なり、増えるほど高い金額になる

経理業務全般を代行してもらうことも可能ですが、作業が多い分費用も増加します。

また、経理業務の中の一部だけを代行してほしい場合もあるでしょう。どの業務を代行してほしいかを吟味し依頼すれば、経理代行の費用を抑えることも可能です。

経理代行を依頼する際の選択肢とそれぞれの特徴

経理代行の依頼には、複数の選択肢があります。

依頼できる職種とそれぞれの特徴を、以下の表にまとめました。

職種特徴
税理士・公認会計士・税や会計の専門家が行うので正確
・税金のことを相談可能
経理代行専門業者・経理代行のみを専門に行う
・公認会計士・税理士事務所より低価格
経理代行サービス(オンライン)・インターネット上で遠隔のアシスタントに依頼
・必要な時に依頼できて、利便性が高い

3つの中で特におすすめなのが、税理士・公認会計士への依頼です。

理由は、顧問契約を結ぶと経理業務に加えて資金調達や節税対策、決算書といった書類作成も一括で対応してくれるからです。

経営状況に応じて適切なアドバイスしてくれるため、コンサルタント的な役割も果たしてくれます。

ただ、専門業者には低価格であること、代行サービスには利便性が高いという特徴があります。それぞれの特徴を比較し、自社にあったところに依頼するのがいいでしょう。

経理代行を導入する際の流れ

ここからは、経理代行を導入する際の基本的な流れを解説していきます。

  1. 問い合わせ・日時の決定
  2. サービス内容・費用の説明
  3. プランの作成・提案
  4. 経理代行の契約

順番に見ていきましょう。

1. 問い合わせ・日時の決定

まずは依頼を検討している事務所・業者に問い合わせ、初回相談の日時を決めましょう。

問い合わせは電話、またはLINEでも行なっているところがあります。

オンラインサービスを利用する場合は、公式サイト上から申し込んでいきます。

2. サービス内容・費用の説明

設定した初回相談日に、サービス内容・費用についての説明を受けます。

現在の業務で経理について困っていることがあれば、この場で打ち合わせも可能です。

初回相談は無料の場合が多いです。依頼するか決めかねている方は、相談だけでもしてみましょう。

3. プランの作成・提案

経理代行を行う場合の具体的なプランの作成・提案を受けます。

要望や業務状況を聞いた上で行うので、自社にあった適切なものを提案してもらえます。

依頼のために必要な書類や、経理代行時のやりとり方法についてもここで確認可能です。

そのほか、希望することがあれば遠慮なく相談しましょう。

4. 経理代行の契約

プランやサービス内容に納得できれば、経理代行を申し込みましょう。

相手側とこちら側の準備が整い次第、経理代行が開始されます。

経理代行導入後の流れ

経理代行を導入した後は、どのような流れで運用していくのでしょうか。

経理代行導入後は、以下の流れで経理業務を外注していきます。

  1. 必要な書類を送付
  2. 経理代行業務を実施
  3. 報告書の確認・承認

順番に見ていきましょう。

1. 必要な書類を送付

まず、経理代行依頼に必要な書類を送付します。

必要な書類は、以下の通りです。

  • 法人名義の通帳のコピーまたはcsv形式のデータファイル
  • 領収書・請求書の原本
  • 法人名義のクレジットカード明細
  • 給与明細
  • その他売り上げや支出に関わる明細

この中のひとつでも足りないと、経理代行のための正確な書類を作成できません。

すべてそろっているかをよく確認し、不備のないようにしましょう。

資料の送付は、レターパックといった配送状況を確認できるものがおすすめです。

なお、「記帳は自社で行い、確定申告や決算のみ代行してもらう」というプランもあります。

2. 経理代行業務を実施

上記の送付書類をもとに、会計システムに入力していきます。

この際に、どう経費に計上すると節税になるかといったことも考慮して行なってくれます。

月末には「月次決算報告書」も作成してくれるため、経理業務の負担はほぼありません。

税理士と顧問契約を結んでいる場合は、財務状況に応じたアドバイスも受けられるので経営に活かしていけます。

3. 報告書の確認・承認

送られてきた報告書を、依頼者自身で確認・承認しましょう。

報告書に不備があったり、サービス利用のメリットを感じられなかったりする場合は、適宜相談もしくは契約打ち切りの検討も必要です。

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