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株式会社の代表取締役が変更することがあるように、合同会社でも代表社員を変更することはあります。
この記事では、
- 代表社員が変更となる3つのパターン
- 代表社員の変更手続きの流れ
- 代表社員の変更に必要な書類
- 代表社員の変更にかかる費用
について解説していきます。
代表社員の変更方法だけでなく、手続きに必要な書類と費用についても解説しているため、ぜひご一読ください。
なお、合同会社における代表社員の概要については、以下の記事で詳しく解説しています。
【参考】合同会社の代表社員とは?概要や人数、名刺状の主な肩書き、業務執行社員などを解説
代表社員が変更となる3つのパターン
合同会社で代表社員を変更するパターンは、主に以下の3つです。
- 代表社員と業務執行社員の地位が入れ替わる
- 代表社員が退任後、既存の業務執行社員が代表社員に就任する
- 代表社員が退任後、新加入した業務執行社員が代表社員に就任する
順番に見ていきましょう。
代表社員と業務執行社員の地位が入れ替わる
代表社員と業務執行社員の地位が入れ替わるパターンは、手続きの内容が最も少なく済みます。
現代表社員は退役後に、一業務執行社員として事業に関わることになるのが、このパターンの特徴です。
【必要な手続き】
- 代表社員の変更
代表社員が退任後、既存の業務執行社員が代表社員に就任する
代表社員の退任後、既存の業務執行社員が就任するパターンもあります。
このパターンは代表社員が合同会社から離れて事業に関わらないのが特徴で、変更手続きだけでなく「退任の手続き」も必要になります。
【必要な手続き】
- 代表社員の退任
- 代表社員の変更
代表社員が退任後、新加入した業務執行社員が代表社員に就任する
退任した代表社員に代わり、業務執行社員として新加入した人が代表社員に就任するパターンもあります。
このパターンは「社員の加入」の手続きが新たに必要です。
【必要な手続き】
- 代表社員の退任
- 社員の加入
- 代表社員の変更
代表社員の変更手続きの流れ
代表社員の変更手続きは、以下の流れで進めていきます。
- 次期代表社員の選定
- 定款変更
- 変更登記
順番に見ていきましょう。
1.次期代表社員の選定
まずは次期代表社員を選定するところから始めます。次期代表社員は、以下の方法で選定を行います。
- 全社員の同意
- 業務執行社員の互選
どちらの方法を採用するかは、合同会社の定款によって決められるため、分からない場合は確認しておきましょう。
2.定款変更
次期代表社員の選定を終えたら、次は定款の変更を行います。
定款を変更する箇所は、先述の「代表社員が変更となる3つのパターン」に基づきます。
合同会社における定款の役割は、以下の記事で詳しく解説しているため、気になる方はぜひご覧ください。
【関連】合同会社における定款の役割は?記入すべき事項と作成時の注意点を解説
3.変更登記
定款を変更してから2週間以内に、法務局にて変更登記を行います。
変更登記の際は先述した議事録の提出と、費用の支払いが必要です。
変更登記を怠ってしまうと過料を請求されてしまうため、注意が必要です。定款の変更を終えたら、忘れないように早急に変更登記を行うようにしましょう。
代表社員の変更に必要な書類
代表社員の変更に必要な書類は以下の通りです。
- 合同会社変更登記申請書
- 全社員の同意書もしくは業務執行社員の互選書
- 就任承諾書
- 定款
- 印鑑届書
- 新代表社員の印鑑証明書
- 退社の事実を証する書類
※現代表社員の退社に伴う交代の場合
上記の書類をそろえて、法務局へ提出しましょう。
【参考】法務局「合同会社変更登記申請書」
代表社員の変更にかかる費用
代表社員を変更する際にかかる費用は以下の通りです。
変更1件当たりの費用 | 資本金1億円未満 | 1万円 |
資本金1億円超 | 3万円 | |
社員が新規加入した場合 | 「3万円」と「増資額の0.7%」 のうちいずれか高い方 |
例えば、資本金1億円未満の企業で「代表社員の退社に伴い業務執行社員から新たに就任する」場合、「代表社員の退任」と「代表社員の変更」の2件の手続きを行うため、合計2万円がかかります。
新加入した社員が代表社員として就任する場合は先述に加えて、増資額に応じた費用が別途発生します。新加入の社員の増資額を把握した上で、支払いを行いましょう。
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代表社員の変更方法について解説してきましたが、複雑で理解が難しいと感じた方もいらっしゃるかもしれません。
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【関連】大阪で合同会社の設立代行なら【代行手数料無料】かつ【最短即日設立】のハートランド税理士法人へお任せください
監修:大久保 明信(おおくぼ あきのぶ)
・ハートランド税理士法人 代表社員(近畿税理士会所属、税理士番号:127217)
・ハートランドグループ代表取締役社長
1986年生まれ高知県出身。大阪市内の税理士事務所で経験を積み、2015年に28歳(当時関西最年少)でハートランド会計事務所(現:ハートランド税理士法人)を開業。社労士法人併設の総合型税理士法人として、2024年には顧問先数1,200件を突破。法人の税務顧問を中心に、国税局の複雑な税務調査への対応や経営へのコンサルティング等、顧問先のトータルサポートに尽力中。