【税理士が解説】合同会社が支払うべき税金とは?個人事業主と比較したメリット・デメリットも解説

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合同会社が支払う税金には、法人税・法人事業税・法人住民税・消費税・固定資産税などがあります。

個人事業主と比較すると、合同会社の方が払う税金が多く、経理業務が複雑になるイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。

しかし、合同会社の方がいくつか税金面でのメリットがあるのです。

今回この記事では、

  • 合同会社が支払う税金
  • 合同会社と個人事業主を比較!税金面でのメリット・デメリット

について詳しく解説していきます。

合同会社が支払う税金

合同会社が支払う税金には、以下の通りです。

・法人税
・法人事業税
・法人住民税
・消費税
・固定資産税

社用車がある場合は、自動車税などもかかってきます。

それでは、合同会社が支払う税金をそれぞれみていきましょう。

法人税

法人税とは、法人の利益に対してかかってくる税金(国税)のことです。

税率は以下の通りです。

【引用】国税庁「法人税の税率」

【参考】No.5759 法人税の税率|国税庁

法人事業税

法人事業税とは、登記登録を行っている都道府県にサービスを利用している対価として支払う必要がある税金(地方税)です。

法人事業税の税率は都道府県ごとに定められています。例えば、東京都の税率は以下の通りです。

【引用】東京都「法人事業税・法人都民税」

【参考】法人事業税・法人都民税|東京都主税局

法人住民税

法人住民税とは、会社が登記登録している都道府県と市町村に支払う税金(地方税)のことです。

法人税割と均等割の2つで構成されており、均等割に関しては、会社が赤字でも納める必要があります

法人住民税の税率も都道府県ごとに定められています。例えば、東京都の都民法人税割の税率は以下の通りです。

【引用】東京都「都民税法人税割の税率表」

【参考】法人事業税・法人都民税|東京都主税局

消費税

消費税とは、商品やサービスの売買に対して課税せられる国税(間接税)のことです。事業者は、一般消費者から預かっているこの消費税を納税する義務があります。

原則、税率は10%(標準税率)ですが、「酒類・外食を除く飲食料品」と「定期購読契約が締結された週2回以上発行される新聞」の譲渡には8%(軽減税率)が適用されます。

なお、合同会社を設立した場合、下記の条件を満たすことで最大2年間消費税が免除されます。消費税は合同会社のみではなく、個人事業主に対しても同様の条件で課せられます。

  • 資本金が1,000万円未満
  • 基準期間(下記参照)の売上が1,000万円以下
    …個人事業主の場合:前々年
    …法人の場合:前々事業年度
  • 特定期間(下記参照)の売上が1,000万円以下
    …個人事業主の場合:その年の前年の1 月1日〜6月30日事業開始から6ヶ月間
    …法人の場合:その事業年度の前事業年度開始の日以後6か月の期間

その他、「土地の譲渡、貸付け(一時的なものを除く)」や「有価証券、支払手段の譲渡」、「利子、保証料、保険料」など一部の取引は、消費税の性格や社会政策的な配慮などから非課税です。

【引用】国税庁「消費税のしくみ」

【参考】消費税のしくみ|国税庁

固定資産税

固定資産税とは個人や会社が所有する土地、建物、有価償却資産などに課せられる税金(地方税)のことです。

固定資産に対しては、全国一律1.4%の税率が課せられます。計算式は以下の通りです。

<固定資産税の計算式>
・固定資産税評価額(課税標準額)× 1.4%(標準税率)

なお、固定資産税評価額は「土地」と「家屋」で計算式が異なります。

<固定資産税評価額の計算式>
・土地:路線価 × 地積 = 評価額
・家屋:単位当たりの再建築費評点 × 経年減点補正率 × 床面積 × 評点1点当たりの価額 = 評価額

ただ、固定資産税の計算は非常に複雑だけでなく、市区町村によっても補正の内容が異なります。固定資産税について何か気になることがあれば、まずは税理士などの専門家に相談してみることをおすすめします。

合同会社と個人事業主を比較!税金面でのメリット・デメリット

ここからは、税金面で合同会社と個人事業主を比較した際のメリットとデメリットを紹介します。

合同会社のメリット

  • 給与等を経費計上できる
    …合同会社の場合、個人事業主が経費にできる項目に加え、「給与」「住宅費」「日当」などを経費にすることができます。個人事業主よりも経費にできる幅が広いため、節税効果を高めることができます。
  • 生命保険を経費計上できる
    …個人事業主の場合、生命保険は一定額のみです。しかし、合同会社の場合は、全額または一部を経費計上することができます。ただし、保険契約者が法人であることが条件です。
  • 事業年度を自由に設定できる
    …個人事業主の場合、その年の「1月1日から12月31日まで」が1期となります。一方、合同会社の場合は事業年度を自由に設定することができます。繁忙期を避けて決算や税務申告などを行えるため、経理作業が効率的になります。
  • 同じ金額の利益(所得)でも合同会社の方が節税できる
    …同じ額の利益が出た場合でも、合同会社の方が節税できることがあります。
    (一例)
    ・個人事業主の所得税率:330万円〜695万円…税率20%
    ・法人の法人税率:800万円以下…税率15%
  • 社会的信用が増す
    …開業届を出せばすぐ始められる個人事業主とは異なり、合同会社を設立するにはさまざまな手続きが必要となります。その分、国から認められた存在として社会的信用も高い傾向にあります
  • 損金を10年繰り越すことができる
    …合同会社も、青色申告を行なっている個人事業主も赤字を繰り越すことができます。しかし、繰り越せる期間は個人事業主が3年であるのに対し、合同会社の場合は9年平成30年4月1日以後に開始する事業年度は10年)と大幅に長く設定されています。
  • 相続税がかからない
    …合同会社の場合、社長が亡くなってしまったとしても、会社は相続税の対象にはなりません。そのため、事業継承のための相続税を節約することができます。

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合同会社のデメリット

  • 設立費用がかかる
    …合同会社の設立には、資本金を除いても「最低10万円」の費用が必要となります。
  • 経理業務が複雑になる
    …合同会社設立には、いくつかの複雑な手続きが必要です。また、税金の計算などに関しても、個人事業主よりも作業の難易度が上がります。
  • 社会保険加入の義務がある
    …個人事業主の場合、原則常時雇用の従業員が5人未満であれば社会保険に加入する必要がありません。しかし、合同会社の場合、人数に関係なく社会保険の加入が義務となり、その分の会社の負担は大きくなります。
  • 法人住民税が赤字でもかかる
    …法人住民税は、たとえ会社が赤字だった場合でも7万円ほど(自治体で異なります)かかります。

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合同会社が支払う税金には、

  • 法人税
  • 法人事業税
  • 法人住民税
  • 消費税
  • 固定資産税

といったものがあります。

もし、個人事業主から合同会社への法人成りを検討していたり、起業にあたって個人事業主と合同会社のどちらを選ぶか迷われていたりする方は、ぜひハートランド税理士法人へお気軽にご相談ください

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