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税務調査とは、税務署が申告内容に誤りや不備がないかを確認するための調査です。そのため、適正に相続税の申告を行っていても、税務調査の対象となることがあります。
相続税の税務調査を避けるためには税務の専門家である税理士に申請のサポートを依頼するのがおすすめです。また、税理士がいれば万が一税務調査が入った場合でも、相続人の代理として税務署対応を行ってくれるため安心して税務調査を迎えられるでしょう。
この記事では、以下について解説します。
- 相続税の税務調査とは
- 相続税の税務調査対象になりやすい人の特徴
- 相続税の税務調査が入ったときの対処法
- 相続税の税務調査を回避する方法
税務調査は適切に対応しなければ、問題点を指摘されて、多額の追徴課税を請求される可能性があります。税務調査が入っても冷静に対応できるよう、日々の記帳や申告書は税理士にチェックしてもらうと良いでしょう。
大阪で税務調査の対策でお困りの方は、一度ハートランド税理士法人へご相談ください。無料で相談に乗らせていただきます。
相続税の税務調査とは
税務調査とは、税務署が申告内容に誤りや不備がないかを確認するための調査です。そのため、適正に相続税の申告を行っていても、税務調査の対象となることがあります。正確な申告をしている場合でも、確認のために調査が行われるケースがあるため、申告内容に問題がないことを証明する準備が必要です。
はじめに、相続税の税務調査について時期と確率を紹介します。
相続税の税務調査が入る時期
税務調査は、多くの場合相続税の申告書を提出した1〜2年後の8月から11月頃に行われます。3年目以降に調査が実施されることもありますが、時間が経つにつれて調査の確率は低くなる傾向があります。
また、相続税には法定申告期限があり、期限から5年が経過すると相続税に対する時効が成立して税務調査は行われなくなります。しかし、相続財産を隠すなどの不正行為が発覚した場合には時効期間が7年まで延長される場合があります。
相続税の税務調査が入る確率
相続税の税務調査は、自宅や事務所に税務署員が訪問して行う「実地調査」と、電話や文書で行われる「簡易な接触」の2種類に分かれます。
2つの調査を合わせると、相続税申告者の約2割が税務調査の対象となっています。国税庁のデータによれば2021年には6317件の相続税に関する実地調査が行われ、そのうち約87%で申告漏れなどが指摘されました。1件あたりの申告漏れによる課税対象額は平均で3530万円となり、1件あたりの追徴課税額は平均で886万円に達しました。
引用:国税庁「令和3事務年度における相続税の調査等の状況」
相続税の税務調査対象になりやすい人の特徴
相続税の税務調査対象になりやすい人の特徴の特徴は以下の3つです。
- 自分だけで相続税の申告書を作成した人
- 相続税申告をしていない人
- 相続税納税額や遺産総額が多い人
それぞれの特徴を紹介します。
自分だけで相続税の申告書を作成した人
相続税の申告書を税理士に依頼して作成したかどうかは、税務調査の確率に大きく影響します。専門家である税理士が関与していない申告書は不備や誤りが発生しやすいため、税務署から調査が入る可能性が高くなります。
税務調査のリスクを減らしたい場合は、相続税の申告書を作成する段階から相続に強い税理士に依頼することが重要です。
専門的なサポートを受けることで申告内容の正確性が高まり、調査対象となるリスクを抑えられます。
相続税申告をしていない人
相続税の申告をしていない場合でも税務調査の対象となることがあります。基礎控除や配偶者控除を適用することで相続税がゼロになるケースは多いですが、計算ミスをしていて実際には課税されるはずだったケースもあります。
そのため、無申告であっても税務署は「相続税の計算に誤りがないか」「相続財産に算入漏れがないか」などを確認するために、税務調査を行うことがあります。
相続税納税額や遺産総額が多い人
相続税の納税額や遺産総額が多い人は、特に問題がなくても税務調査の対象となることがあります。遺産額が数億円から数十億円に達する場合、計算ミスや相続財産の算入漏れが起こりやすくなるためです。
また、相続税は累進課税制度を採用しており、相続財産の額が大きくなるほど税率が高くなり、追徴税額も大きくなります。
そのため、税務署は高額な相続がある場合、特に慎重に確認を行うため普段よりも積極的に税務調査を実施することがあります。
相続税の税務調査が入ったときの対処法
相続税の税務調査が入ったときの対処法は以下の3つです。
- 申告書の内容を再度確認する
- 財産を洗い出す
- 申告内容を証明する書類を用意する
それぞれの対処法を解説します。
申告書の内容を再度確認する
まずは申告内容に誤りや見落としがないかしっかりと再確認することが重要です。記入漏れや計算ミスがないかを確認するなど、細部まで見直しましょう。
申告書の作成を税理士に依頼している場合は、その税理士と一緒に内容を確認するのもおすすめです。もし、依頼せずに自分で申告を行った場合でも、後から税理士に依頼して申告内容を確認してもらうことや、税務調査の立会いをお願いすることが可能です。
不安がある場合は、相続に詳しい税理士に相談することも検討しましょう。
財産を洗い出す
見落としている財産がないか、再度しっかりと確認することが大切です。改めて確認すると見落としていた預貯金口座や不動産、有価証券、現金などが残っている可能性があるため、自宅内や金庫の中などを念入りに探しましょう。
特に、以下のような財産は見落としがちです。
- タンス預金やへそくり
- 被相続人名義預金
- 美術品、骨董品
- 生命保険
- 債権
- 自宅とは別に所有している山林などの土地
見逃しがないよう細かくチェックすることで、正確な相続手続きが行えます。
申告内容を証明する書類を用意する
申告した内容を証明する書類は手元に用意しておきましょう。以下のような書類があれば安心できます。
- 相続税申告の際に使用した資料の原本
- 被相続人の預貯金通帳
- 相続人の預貯金通帳
- 相続人が所有している土地の権利証や、不動産を購入した際の資料
- 相続人の認印
これらが用意できていて申告内容に誤りがなければ、税務調査で引っかかることはないでしょう。
相続税の税務調査を回避する方法
相続税の税務調査を回避する方法は以下の通りです。
- 相続や税務調査に強い税理士に相談する
- 相続財産を正しく把握する
- 相続税額がゼロであっても税理士に相談する
それぞれの方法を詳しく解説します。
相続や税務調査に強い税理士に相談する
税務調査のリスクを減らしたい場合、相続税の申告書を作成する段階から相続に強い税理士に依頼するのが有効です。税務の専門家である税理士が作成した申告書は計算ミスや不備が発生しにくいため、税務署が調査対象に選ぶ確率が低くなる可能性があります。
さらに、万が一税務調査が入った場合でも、依頼した税理士が相続人の代理として税務署対応を行ってくれるため安心して税務調査を迎えられるでしょう。
相続財産を正しく把握する
相続財産である現預金や土地を正確に把握することも税務調査を回避するために有効です。税務署は被相続人の銀行口座や登記情報を通じて相続財産を確認できるため、申告内容と実際の相続財産に大きな差異があると調査対象となる可能性が高くなります。
そのため、相続財産をしっかりと把握して正確に申告することが、税務調査を避けるための有効な手段です。
相続税額がゼロであっても税理士に相談する
相続財産が基礎控除額や非課税枠の範囲内に収まっており、相続税の申告が不要の場合でも税務調査を回避するためには税理士に相談しましょう。被相続人の遺産が基礎控除を下回っている場合でも、生前贈与やタンス預金などが見落とされていることがあります。
これらの財産が相続税申告期限を過ぎてから発見されると、加算税や延滞税などのペナルティを課される可能性があります。事前に専門家に相談することで見落としを防げる可能性が高まります。
相続税の税務調査対策はハートランド税理士法人にお任せください
今回は、相続税の税務調査について解説しました。
相続税の税務調査を避けるためには税務の専門家である税理士に申請のサポートを依頼するのがおすすめです。また、税理士がいれば万が一税務調査が入った場合でも、相続人の代理として税務署対応を行ってくれるため安心して税務調査を迎えられるでしょう。
税務調査は適切に対応しなければ、問題点を指摘されて、多額の追徴課税を請求される可能性があります。税務調査が入っても冷静に対応できるよう、日々の記帳や申告書は税理士にチェックしてもらうと良いでしょう。
大阪で税務調査の対策でお困りの方は、一度ハートランド税理士法人へご相談ください。無料で相談に乗らせていただきます。
監修:大久保 明信(おおくぼ あきのぶ)
・ハートランド税理士法人 代表社員(近畿税理士会所属、税理士番号:127217)
・ハートランドグループ代表取締役社長
1986年生まれ高知県出身。大阪市内の税理士事務所で経験を積み、2015年に28歳(当時関西最年少)でハートランド会計事務所(現:ハートランド税理士法人)を開業。社労士法人併設の総合型税理士法人として、2024年には顧問先数1,200件を突破。法人の税務顧問を中心に、国税局の複雑な税務調査への対応や経営へのコンサルティング等、顧問先のトータルサポートに尽力中。