銀行員が教えます! 新規事業の融資をスムーズに受ける方法

「新規事業融資」というキーワードをネットで検索すると、『専門家の創業融資サポート』が上位にヒットします。

大抵のサイトでは、「民間金融機関では新規事業融資を受けることが難しいので、専門家のサポートを受けましょう」というキャッチコピーが目立ちます。

本当に、民間金融機関では新規事業の融資を受けるのはむずかしいのでしょうか?
そんなことはありません。銀行員がいうのですから間違いありません。
ただし、それにはいくつかのポイントがあります。

そこで今回は「新規事業の融資をスムーズに受ける方法」についてお話します。
民間金融機関が新規事業融資についてどのように考えているか?それを知ることで、今後の参考にして下さい。

民間金融機関は新規事業融資を欲しがっている

新規事業融資は、民間金融機関にとってもいくつかの大きなメリットがあります。
民間金融機関は新規事業融資を欲しがっています。もっといえばやりたくてしょうがないのです。

なぜなら、国の開業率を上昇させることは、国策に沿っており新規開業を後押ししたいから。
未来の優良企業のメインバンクになれるから。
新規事業融資を獲得するのが銀行員の醍醐味、個人実績にもプラスになるからです。

理由1:国の開業率を上昇させることは国策に沿っており、新規開業を後押ししたいから

国の施策によって開業率を一定以上にすることが求められており、新規事業展開を促進しています。
民間金融機関が新規事業融資に積極的に取り組むことは、国の施策に沿うことになるのです。

実際にどれだけ融資したか?はもちろん重要ですが、新規事業融資に積極的な姿勢を対外的にアピールすることこそ大事なのです。

ですから本音と建て前、理想と現実といった部分はありますが、新規事業融資の相談にいけば、ちゃんと話しを聞いてもらえます。

理由2:未来の優良企業のメインバンクになれるから

会社は、新規事業融資を受けた民間金融機関をメインバンクとして取引していくのが普通です。

最初に融資しててもらったから、という恩義ももちろんあるでしょうが、なによりも、その民間金融機関が、その企業の将来性を認めたからこそ融資したのです。
その会社が優良企業になれば、民間金融機関はいろいろな面でのメリットも大きいのです。

理由3:新規事業融資を獲得するのが銀行員の醍醐味、個人実績にもプラス

新規事業融資を獲得することは、銀行員の醍醐味です。

新しく生まれた企業や新しいビジネスの誕生から成長まで関われたなら、銀行員として大きなやりがいを感じることができます。
また、営業ノルマの中でも新規事業融資はポイントが高く、融資実行件数が多いとできる銀行員として評価されます。

なぜ、民間金融機関では新規事業の融資を受けるのはむずかしいといわれるのか?

融資を欲しがっているとは確かに書きましたが、もちろん貸すこともあれば、貸さないこともあります。
たしかに新規事業融資は審査も難しく、時間もかかります。

しかし、事業計画や経営者の人物などに問題がなければ、新規事業融資はおこなっています。
民間金融機関は利用者の預金を基に貸し出しを行っているので、日本政策金融公庫など公的機関に比べると審査も厳しくなるのは致し方ないことです。 

専門家のサポートは必要?

ネットでは「創業融資のサポート」などが盛んに広告展開されています。
新規事業融資を受けるために、こうした専門家のサポートは必要でしょうか?
この疑問については、銀行員としてこうお答えします。

サポートはあったほうがいいです。
ただし、サポートを依頼する相手を良く確かめることが必要です。

サポートはあったほうがいい

「あったほうがいい」とあえて書いたのには理由があります。
確かに、銀行員との付き合いなどまったくしたことのない人が、いきなり新規事業融資を申込んでも難しいことはあるでしょう。

専門家のサポートで、事業計画書を作ってもらい、銀行員の好む資料を提出できれば、融資実現には近づくことができるかも知れません。

ただし、バックに専門家のサポートがあれば、銀行員は気づきます。
素人のはずなのに、やけに銀行用語に詳しいなど、怪しい点は見透かされてしまいます。

ましてや、専門家と一緒に銀行に行くことはおすすめできません。
わたしなら、同席をお断りします。
どこまで、どのようにサポートを頼むか、慎重に考えることが必要です。

サポートは、相手を良く確かめることが必要

当たり前ですがサポートを依頼する専門家は、相手を良く確かめることが必要です。

費用体系もそれぞれ違います。
もちろん、費用やサービス面の確認も大事ですが、相談をしに行った際に、自身の事業内容を理解してくれるか、コミュニケーションがとりやすいかといったことも確認すべきです。

銀行員がおすすめする新規事業融資をスムーズに受ける方法

銀行員の私が考える、新規事業融資をスムーズに受けるおすすめの方法、それは「信用保証協会の創業支援窓口に相談する」です。

ではなぜ、信用保証協会を利用するとスムーズに新規事業融資を受けることができるのでしょうか。

金融機関が融資する際は、過去の取引履歴等を参考にしますが、新規事業融資のように取引実績がない場合、金融機関側は融資に躊躇します。
もし、利用者が返済不能になった場合、貸倒れだけでなく、融資した側の担当者・支店の成績にも影響するからです。

そのため、金融機関に新規事業融資を申し込みにいくと、信用保証協会付きの融資を打診されます。

信用保証協会に相談するって、どういうこと?

意外と知られていませんが、信用保証協会は一般の人からの相談には親切に対応してくれます。
たとえアポなしで訪問しても、新規事業融資の相談がしたいと依頼すれば、担当の職員がやさしく応対してくれます。

事業内容や今後の計画などを聞いて、受けることができそうな融資制度のレクチャーや経営のアドバイスをくれます。
場合によっては、そのまま金融機関へ紹介してくれる場合もあります。

理想的な申込み、それが「信用保証協会への相談」

信用保証協会へ相談し、そこから金融機関への紹介であれば、融資を断わられる可能性は少ないと考えます。
紹介されたということは、信用保証協会のお墨付きがあるということなのです!
保証人として肩代わりしてもらえるため、金融機関もリスクを軽減でき安心して融資しやすくなるのです。

金融機関と信用保証協会は、その立場が違います。

  • 金融機関は「貸すか貸さないか審査するところ」
  • 信用保証協会は「保証をして、銀行から融資を引き出す公的機関」

いってみれば、金融機関はNOから、信用保証協会はYESから始めるとも表現できます。

信用保証協会への相談をおすすめする、もう一つの理由

信用保証協会への直接相談をして、その結果新規事業融資が受けられなかった場合、融資の申込みをしたわけではないので、個人信用情報などにマイナスの記録が残ることはありません。

相談しても難しい場合は、個人信用情報の履歴に何かしら残っている場合が考えられます。
その理由が延滞など、個人信用情報のネガティブ情報なら、しばらく融資を我慢するしかないでしょう。

しかし、事業計画が不十分とか、営業の年数が短いといった理由だったなら、再チャレンジする価値は十分残されています。

金融機関は、一度融資を断わった顧客に対して、お金を貸すことは難しいでしょう。
しかし、信用保証協会ではそういった心配もありません。
この点が、信用保証協会への直接相談をおすすめする、もう一つの理由です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は現場で融資を実際に行っている目線から、新規事業の融資をゲットするためには本当に創業融資に強い専門家にお願いするべきかについて考えてみました。

サポートがあったほうがいいとは思います。
ただ、どのようなサポートなのか、本当に必要なのかを一度考えるべきでしょう。

自分の力で融資を獲得できなくはないですが、一人で不安だったり、考える時間を事業に割きたいという方は、検討してもいいかもしれません。
しかしながら、経営者の自力のみで融資はとれないということではありません。

あくまで、融資の可能性を広げるという理解のもと検討にいれるといいでしょう。