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創業融資には、全国的に使えるものと、都道府県ごとに使えるものとで違いがあります。都道府県ごとのものは数が多く、正確な把握は非常に難しくなっています。
今回は、東京都で創業・起業したいという人に向けて「創業融資制度」についてまとめてみました。
多くの場合、利率や保証料等でかなり優遇されているものが多く、東京都で創業するならば使わない手はないといった結果になっています。
1.利用しないと損!東京都で利用できる創業融資制度とは
東京都で利用できる創業融資は、
- 都の制度融資(保証協会の保証付き)
- 区の制度融資(保証協会の保証付き)
- 日本政策金融公庫
があります。
日本政策金融公庫については関連記事をご覧ください。
1-1.東京都の制度融資
東京都の制度融資は、東京都と東京信用保証協会と指定金融機関の三者協調のうえに成り立っており、三者が協力して都内の中小企業者が金融機関から融資を受けやすくするための体制を整えています。
東京都の制度融資を受けるには、東京信用保証協会の保証が必要になります。
運転資金及び設備資金の名目で、融資限度額は3,500万円までとなっています。
加えて、創業支援特例を受けることが出来れば、金利を0.4%落とすことも出来ます。
この創業支援では、無担保・無保証での融資を受けることが可能なため、社会的な信用が十分でない起業直後やこれから起業する人でも、積極的に融資を受けることが出来るのです。
詳しくは「東京都産業労働局 東京都中小企業制度融資」をご覧ください。
1-2.区の制度融資
また23区内でも、それぞれ創業融資を設定している区があります。
例えば杉並区では、運転資金及び設備資金の名目で1,500万円を融資限度額として、「創業支援融資資金」というものが設置されています。
杉並区の制度融資については「杉並区 事業資金の融資制度」をご覧ください。
渋谷区では運転資金及び設備資金の名目で、最大1,250万円を融資限度額とした「企業事業資金融資あっせん制度」というものがあり、注目されているのです。
渋谷区の制度融資については「渋谷区 中小企業資金融資」をご覧ください。
これらは区が金融機関に対して事業者を紹介する制度になり、区が利率を下げて、保証料を負担する等の制度なのでしっかりとした制度の理解が必要です。
2.東京都で創業融資を受けられる金融機関のまとめ
一方で各金融機関からも創業融資という商品名で、サービスを提供しており融資を受けることが可能です。
一般的に金融機関から融資を受ける場合は、不動産などを担保にする必要があるものの、返済期限が非常に長く設定することが可能で、非常に使い易い制度になっています。
2-1.西武信用金庫
西武信用金庫は、不動産投資への融資に積極的な特徴を持つ信用金庫です。
事業拡大や課題解決など、ニーズに合わせた融資制度が多数用意されています。
融資額は制度にもよりますが、例えば「女性・若者・シニア創業サポート事業」は、創業者に非常に有利な制度です。
融資限度額は1,500万円以内(運転資金のみは750万円以内)で、固定金利1%以内、無担保、返済期間10年以内、据置期間3年以内など、非常に魅力的な制度になっています。
ご自身にあった融資制度を活用できるでしょう。
2-2. きらぼし銀行
きらぼし銀行は、もともと東京都中小企業振興公社や日本政策金融公庫との連携が強い金融機関であり、公的機関を介した融資制度を多数持っている金融機関です。
さらにそれに連動する形で「創業サポートローン」という仕組みをもっています。
これは、中小企業振興公社や日本政策金融公庫の融資を受けた人が、さらなる追加融資を受ける際に、きらぼし銀行から直接融資を受けることが出来るというものです。
融資限度額は500万円と少なめですが、もともと優良な創業者の追加融資ということで、ありがたいと感じる人は多いのではないでしょうか。
3.創業融資をスムーズに進めるために専門家に任せたほうが良いのか
創業融資をスムーズに受けるためには、行政書士や税理士などの専門家の助言は必要なのでしょうか。
これは、専門家をどのようにとらえているかによって大きく変わってきます。
専門家を利用する場合に重視するのは、専門家の経験やスキルを利用してアドバイスを乞うということです。この観点がなく、全てをお任せするといった態度だと、大きな失敗に繋がることがあります。
創業融資では多くの場合で、様々な書類が必要であり、また金融機関や公的機関の担当者との面談は必須です。
この書類や面談を行う上でのコツや、注意点についてしっかり対応してもらうという意味では、専門家の意見は非常に重要なものになるでしょう。
ぜひ融資を受けられる可能性を上げるためにも、専門家の利用をお勧めします。
4.東京都で創業融資をスムーズに!専門家比較まとめ
それでは、東京都で創業融資に強い専門家についてみていきましょう。今回は10名を挙げていきます。
4-1.工藤公認会計士税理士事務所
圧倒的な創業融資の成功例を誇るのが、工藤公認会計士税理士事務所。補助金や助成金にも対応しており、初回相談を無料で行う場合もあるほど、フットワークの軽い会計士税理士事務所です。
手数料も非常に手ごろで、1円でも無駄にしたくない創業期には非常に頼りになる事務所でしょう。
4-2.今井会計事務所
300社以上の創業支援の経験がある今井会計事務所は、中央区の創業融資の専門家として有名な会計事務所です。
開業3年以内の法人・個人の人向けのサービスも行っており、何かと頼りになる会計事務所といえます。
4-3.飯塚税理士・行政書士事務所
台東区・千代田区を活動拠点としている飯塚税理士・行政書士事務所は、「創業・制度融資支援センター」というサービスをインターネット上で展開しており、まさに創業支援としては的確な税理士・行政書士事務所といえるでしょう。
初回電話相談は完全無料となるため、ちょっとした疑問でも気軽に相談できます。
4-4.税理士法人YFP
新宿区を中心として活動している税理士法人YFPは、経済産業省が認めた認定支援機関であり、融資成功数も多い優秀な税理士法人です。
また、手付金・成功報酬のどちらも0円サポートを謳っており、創業期のお金に関する問題に対して手厚くサポートをしてくれます。
4-5.藤井泰之税理士事務所
中央区を中心として活動している藤井泰之税理士事務所は、全ての案件について代表が現場に降りるというサービスを展開しています。また、全ての案件に対して、代表が決められた場所へ伺うという形で展開しているため、移動時間などのロスを大幅に減らせます。
4-6.スタートアップ会計事務所
新宿区を中心として活動しているスタートアップ会計事務所は、まさに名前通りの会計事務所といえるでしょう。創業・起業に関して、多くの経験やスキルを有する彼らの力を利用すれば、起業成功率は間違いなく高まるはずです。
4-7.梅川公認会計士・税理士事務所
梅川公認会計士・税理士事務所では、「千代田区 会社設立&開業相談センター」というサービスをインターネット上で展開しており、起業・創業に関わる問題について、フルサポート体制が出来上がっています。千代田区で創業したい人は、必ず相談してみてください。
4-8.ハートランド税理士法人
ハートランド税理士法人は、なんと創業融資支援の成功率が100%を誇る、驚異の税理士法人です。
経済産業省認定の経営改革等支援機関としても登録されており、信頼の篤い会計事務所といえます。夜間・休日でも対応可能であり、何かトラブルが発生しても、ハートランド税理士法人ならすぐに対応してくれるでしょう。
4-9.阿部会計事務所
港区を中心に活動している阿部会計事務所は、電話やメールの対応が丁寧で早い会計事務所として知られており、また月2社までは、創業融資に必要な事業計画書や資金繰り表の作成などの添削を無料で行うというサービスを展開しています。
特に事業計画書は、自分一人で作成すると見落としがあったりして大きなミスに繋がるものとなれば、このサービスが非常に心強いものであることがわかるでしょう。
4-10.会計事務所アリー
会計事務所アリーは、日本政策金融公庫の融資に特化した会計事務所として知られ、融資実行率が97%以上という驚くべき実績を出している会計事務所です。
事業内容の徹底的なブラッシュアップや、公認会計士としての確かな経験やスキルは、創業融資を終えた後でも頼りになることは間違いありません。
5.まとめ
東京の創業融資は、他のどの地域よりも手厚く、またサービスの種類も多くなっています。
ぜひ東京で創業する際には、創業融資を受けることを検討してみてください。
また、その際にはぜひ専門家の力を借りて、融資の成功率を高めていきましょう。
監修:大久保 明信(おおくぼ あきのぶ)
・ハートランド税理士法人 代表社員(近畿税理士会所属、税理士番号:127217)
・ハートランドグループ代表取締役社長
1986年生まれ高知県出身。大阪市内の税理士事務所で経験を積み、2015年に28歳(当時関西最年少)でハートランド会計事務所(現:ハートランド税理士法人)を開業。社労士法人併設の総合型税理士法人として、2024年には顧問先数1,200件を突破。法人の税務顧問を中心に、国税局の複雑な税務調査への対応や経営へのコンサルティング等、顧問先のトータルサポートに尽力中。