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会社に勤めている方や主婦の方に増えている「週末起業」。ここでは、週末起業に関するみなさんの疑問を解説し、週末起業の例から始め方まで紹介していきます。
週末起業や副業などをお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
週末起業とは?
最近よく耳にする「週末起業」という言葉。主に平日は会社員として働き、休日である週末に自分自身で起業をすることを指しています。
ここで挙がるのが、そういう意味では副業も週末起業にあたるのではないかという疑問。
そこで、もう少しこの週末起業について詳しく見ていきます。
会社を辞めずにビジネスを立ち上げること
週末起業は会社を辞めて起業する訳ではないので、自分のやりたいことができ、失業のリスクも負わずに済みます。
週末起業と副業との違いは?
厳密に言うと、副業は他人のビジネスを手伝うこと(アルバイトなど)であり、自分で事業を起こしているわけではありません。
副業と違うところは、自分で儲けの仕組みを作り、ビジネスを立ち上げるという点にあります。
週末起業のメリット/デメリット
もちろん週末起業でもメリットとデメリットは存在します。
それぞれ、どのようなことが挙げられるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
週末起業の4つのメリット
週末起業のメリットといえば、次の4つです。
- 複数の収入源ができる
- 本業にも良い影響が出る
- 独立開業することもできる
- 会社にないやりがいが感じられる
①複数の収入源ができる
会社員という立場だけであれば、決まった給与しか手元に入ってきません。しかし、収入源が他にもあれば単純に所得を増やすことができます。
また、仕事を辞めてする起業とは違い、万が一失敗しても収入が無くなることはありません。
②本業にも良い影響が出る
自分のキャリアアップにつながることをするケースが多いのが週末起業です。もちろんこれは、平日行なっている本業にもいい影響を及ぼします。
場合によっては、週末起業で得た知識が本業で役立つこともあります。
③独立開業することもできる
週末起業でうまくいけば、独立開業することも夢ではありません。
また、ビジネスが軌道に乗ってから独立することができるので、失敗のリスクを極限まで回避することができます。
④会社にないやりがいが感じられる
週末起業は、あくまでも自分の得意分野で行うことが多いのが特徴です。そのため、本業よりもやりがいを感じて仕事に取り組む事ができます。
週末起業の3つのデメリット
当然ながら、週末起業もいいことばかりではなく、デメリットも存在します。考えられるデメリットについて解説します。
休みが少なくなる
週末起業という名の通り、本業が休みの時に業務を行います。そのため、もちろん休息できる時間は減少します。
本業に影響が出ることもある
休日は本来身体を休めておくためにあります。そのため、体調管理ができなくなる可能性があります。
また、副業を認める会社が多くなったとはいえ、自分の会社がそれを認めているのかは別の話です。勤務先が起業可能であるかの確認をする必要があります。
軌道に乗るまでに時間がかかる
週末の限られた時間でしか仕事を行うことができないため、開業してそれだけに取り組む場合と比較すると、軌道に乗るまでには時間がかかることが多いです。
週末起業で成功しやすい事業例
では、実際にどのような事業であれば週末起業として成功しやすいのでしょうか。その一例を挙げてみます。
①コンサルタント事業
自分が得意なこと、本業で得た知識をうまく活かせるという面があります。コストもかからず、特に手の込んだ準備も必要ないことから、成功する可能性が高い内容です。
②代行事業
趣味の延長でできそうなパソコンの設定やホームページ、プレゼン用の資料作成などがあります。日頃事務などで資料作りをメインとしているのであれば、書類作成はお手の物かもしれません。
③ネットショップ事業
最近、誰でも手軽に始められる事業として人気の事業です。自分で製作した物や仕入れた物を販売します。低コスト、低リスクで運営ができることから人気が高いです。
④ブログやWebメディア運営
ブログの記事作成の代行業や、広告スペースを提供して収入を得るといった方法も人気があります。
週末起業をスタートさせよう
週末起業は自分の得意分野を利用してすぐにでも始めることができます。リスクも少ないことから、興味を持ったらすぐに初めてみるのも良いかもしれません。
では、どういったポイントが成功のカギとなるのでしょうか。
失敗しないためにポイントを明確にしておく
まずは、以下のポイントを押さえておけば、失敗を少なく週末起業を始められます。
①アイデアを決める
週末起業をする前に、どのような事業を始めたいのか、どんな事業なら収益が得られるかをしっかり絞り込む必要があります。目標設定と考えておけば良いでしょう。
週末起業ですから、なるべくお金をかけずに事業を確立・収益化できる方法を探す必要があります。お金がかかると折角収入源を増やそうとしているにもかかわらず、意味がなくなります。
②余裕を持った計画を立てる
週末しか仕事に取り組めない分、途中であきらめてしまわないように「一ヶ月〇円の売上」など小さな数字の目標を立てる必要があります。仕事を行うたびに、この目標を少しずつ達成していくことが重要です。
小さな目標であれば、達成しやすいですし、達成した時の満足感も得られます。
また、無理な計画は継続できなくなるためおすすめしません。週末起業は、もともと軌道に乗せるまでは時間がかかるものだと覚悟を決めておく必要があります。
③時間と場所の確保
本業に悪影響が出ないよう、無理のないスケジュールを立てて時間を確保する必要性があります。
また、自宅ではなかなか厳しいという場合はレンタルオフィスを利用することも視野に入れておくと良いでしょう。法人化したらそのままを登記できるケースもありますし、自宅の場所を知られるというリスクも回避できるため、安全面からもおすすめです。
週末起業に必要な手続き
週末起業といっても立派な事業です。自分自身が責任を持って取り組まなければいけません。
それでは、どのような手続きが必要になるのでしょうか。大まかではありますが、以下のようなポイントがあります。
①開業届を税務署に提出する
まずは、開業届を出して個人事業主として認めてもらう必要があります。これは副業と大きく異なる点です。
事業として認められれば、週末起業にかかった経費も収入からマイナスすることができます。経費として認めて貰えるかどうかは、その後の所得の申告にも関係するので非常に重要です。
②法人と個人事業主どちらがいい?
悩めるのがこの点かもしれません。しかし、軌道にのるまでは個人事業主として週末起業を行う方が様々なリスクは回避できます。
一つの目安として、年間利益の目安が600万円以下であれば、法人化しても税金面でのメリットがないため、個人事業主の方が適しています。600万円以上であれば、法人化して給与所得控除を利用する方が所得税は安くて済みます。ここを一つの目安にすることも、法人化を検討する際にはおすすめです。
まとめ
週末起業は自分の得意分野を活かして事業を行うことができます。もちろん活動時間が限られているのでなかなか軌道には乗せられないかもしれませんが、無理な計画を立てず、気を大きく構えてじっくり取り組む姿勢が必要です。
事業が軌道にさえ乗れば、後に法人化も視野に入れて本格的に独立することもできます。
自分の体調などを気にしながら、本業に悪影響が出ることなくじっくり取り組むことこそ週末起業のポイントです。
監修:大久保 明信(おおくぼ あきのぶ)
・ハートランド税理士法人 代表社員(近畿税理士会所属、税理士番号:127217)
・ハートランドグループ代表取締役社長
1986年生まれ高知県出身。大阪市内の税理士事務所で経験を積み、2015年に28歳(当時関西最年少)でハートランド会計事務所(現:ハートランド税理士法人)を開業。社労士法人併設の総合型税理士法人として、2024年には顧問先数1,200件を突破。法人の税務顧問を中心に、国税局の複雑な税務調査への対応や経営へのコンサルティング等、顧問先のトータルサポートに尽力中。