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税理士との相談は短時間でも高額なイメージがあり、なかなか相談をためらっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、税理士に相談すれば経理や税金に関する煩雑な業務や手続きを任せられるだけでなく、経営相談の壁打ち相手にすることも可能です。
経理や税金に関する煩雑な手続きを任せたりミスをなくしたりするためにも、個人事業主や経営者の方は定期的に税理士と相談するのがおすすめです。
この記事では、以下の項目を詳しく解説していきます。
- 税理士への相談料の費用相場
- 税理士の相談料を決める6つの要素
- 税理士の相談料を少しでも安く抑える4つの方法
- 起業家や個人事業主が税理士に相談するメリット
- 税理士の相談料が適正額か判断する3つのポイント
- 税理士と顧問契約を結ぶのにおすすめのタイミング
定期的に税理士と経理や税金、経営に関する相談をしておけば事業の安定的な成長にもつながります。
税理士との相談を検討している方は、私たちハートランド税理士法人へお気軽にお問合せください。
税理士への相談料の費用相場
はじめに、税理士への相談料の費用相場を紹介します。税理士への相談料は依頼内容や契約形態、相談をする側の事業規模などによって異なります。
例えば、個人事業主と法人では売上や事業規模が変わるため相談料の相場も異なります。
事業範囲が広く売上が多い場合、確認が必要な取引の数も増えるため、相談料が高くなります。また、個人事業主が確定申告に加えて記帳代行などを相談する場合は、別の業務を依頼することになるので、追加料金が発生します。
ここでは、以下4つの契約形態ごとに税理士への相談料の費用相場を詳しく解説していきます。
- 単発契約
- 顧問契約
- コンサルティング契約
- 出張相談・その他の費用
単発契約の費用相場
単発契約の場合、相談料の費用相場は以下の通りです。
時間 | 費用相場 |
30分以内 | 5,000円 |
1時間以内 | 10,000円 |
30分ごとの延長料金 | 3,000円〜5,000円 |
税理士への相談は顧問契約を結ばなくても可能です。例えば、個人事業主の確定申告や会計処理についての指導など、一度だけ依頼することが容易な内容もあります。ある程度の業務を自社で行う場合は単発契約がおすすめです。
顧問契約の費用相場
税理士と顧問契約を結ぶ場合、相談料の費用相場は以下のように年商で変動します。
年商 | 費用相場 |
1,000万円以下 | 15,000円〜20,000円 |
3,000万円〜5,000万円 | 35,000円〜45,000円 |
1億円以上 | 60,000円〜100,000円 |
顧問契約は業務委託契約の一種です。税理士へ毎月一定の金額を支払うことで、契約範囲内で税務などの相談ができます。給与計算や記帳代行など、毎月必要な業務に関して相談したい場合に適しています。
なお、契約内容によるものの相談の頻度は月に1〜2回程度が目安です。
コンサルティング契約の費用相場
税理士とコンサルティング契約を結ぶ場合、相談料の費用相場は成功報酬が基本です。コンサルティング契約は、中長期的な資金調達や財務の枠組みづくりに関するアドバイスや指導を求める際に適しています。
相談料は事業規模や案件によって異なります。例えば金融機関からの資金調達の相談では、着手金は2〜20万円ほどで成功報酬は融資額全体の2〜5%ほどが相場です。
出張相談・その他の費用
近年、税理士の出張サービスも提供されるようになり、オフラインで相談しやすくなっています。
ただし、出張相談では通常の相談料に加えて宿泊費や交通費も支払わなければいけないため注意しましょう。
税理士の相談料を決める6つの要素
税理士の相談料は、主に以下6つの要素によって決まります。
- 初回相談
- 時間単位の料金
- 固定料金
- 成功報酬
- その他の費用
- 依頼内容や難易度
それぞれの要素を詳しく解説します。
初回相談
初めての相談は、多くの税理士事務所が無料で対応しています。ただし、中には初回から有料の税理士事務所もあるので、依頼する前に料金プランをしっかりと確認しましょう。
一部の税理士事務所では、「相続・贈与に関する相談に限り、初回の相談は1時間無料」などといった具体的な条件を設けている場合もあります。
時間単位の料金
一般的に、税理士の相談料金は時間単位で設定されています。税理士によって料金は異なるため、複数の税理士の料金を比較して検討しましょう。
一部の税理士事務所では10分や15分ごとに細かく料金を設定している場合もあります。あらかじめ相談にかかりそうな時間の目安を考えておけば、無駄な費用をおさえられるでしょう。
固定料金
税理士の顧問契約では、ほとんどの場合で毎月固定の料金が設定されています。固定料金であれば最終的な金額もわかりやすいため、安心して依頼できるでしょう。
ただし、固定料金に含まれる業務範囲を把握しておかないと、意図せず追加料金が発生する可能性もあります。契約を結ぶ前に、固定料金で依頼できる業務内容や範囲を明確にしておきましょう。
成功報酬
税理士とコンサルティング契約を結ぶ場合、一般的には着手金と成功報酬が支払われます。成功報酬は成果が得られなければ支払われませんが、受け取った資金が増えるほど支払われる金額も増えます。
例えば、ある税理士事務所では、節税に関する成功報酬プランを提供しており、報酬の割合は節税効果に応じて設定されています。税額の減少が200万円以下の場合は20%、2億円を超える場合は5%+1,110万円といった具体的な割合が設けられています。
その他の費用
税理士が出張する際の交通費や宿泊費などは、相談や契約に直接関係しなくても費用として発生します。
顧問契約の月額料金や成功報酬とは別に支払う必要があるため、出張相談が多くなる場合は予算内に収まるように費用を確認することが重要です。
依頼内容や難易度
税理士の相談料は、依頼された業務内容や難易度によっても変動します。税理士は多くの業務を請け負えますが、専門性が高くなるほど相談料も上がります。
例えば、以下のような項目は難易が高く、相談料も高い傾向にあります。
- IPO支援
- 経理体制の構築
- 経営相談
- M&A
税理士の相談料を少しでも安く抑える4つの方法
次に、税理士への相談料を少しでも安く抑える方法として以下の4つを紹介します。
- 複数の税理士で相見積もりを取って比較する
- 税理士に依頼する業務を少なくする
- 面談の回数を少なくする
- 税理士と直接値引き交渉をする
それぞれの方法を詳しく解説します。
複数の税理士で相見積もりを取って比較する
税理士の相談料を少しでも安く抑えたい場合は、複数の税理士から見積もりを取るのがおすすめです。同じ条件で複数の税理士の料金を比較すれば、料金の相場を客観的に判断できます。
ただし、料金だけで税理士を選ぶのはやめましょう。なぜなら、税理士の品質や経歴によって価格も変動する場合があるためです。
高すぎても安すぎても相場からかけ離れたものは避け、適正な料金の税理士を選ぶのが重要です。
税理士に依頼する業務を少なくする
税理士の相談料を少しでも安く抑えたい場合は、依頼する業務範囲を少なくするのがおすすめです。自社でも対応できる業務があれば内製化してみましょう。
ただし、税理士への依頼を極端に減らしすぎると個人や自社の負担が増えたり、ミスを起こしてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
面談の回数を少なくする
税理士の相談料を少しでも安く抑えたい場合は、面談の回数や方法を見直すこともおすすめです。例えば、定期的に行っていた面談を減らすことで費用の削減ができる場合があります。
また、近年ではオンライン面談も一般的になってきました。同じ面談回数でもオンラインなら費用を抑えられる場合もあるため、オンラインを希望する場合は一度相談してみましょう。
税理士と直接値引き交渉をする
税理士の相談料を少しでも安く抑えたい場合は、税理士に直接交渉することも一つの方法です。月額の顧問料や追加業務の費用を削減できたり支払期限を延長したりできる場合があります。
ただし、直接交渉は最後の手段として考えましょう。
もし相談しても費用の減額ができない場合や、財務状況の回復見込みがない場合は他の税理士を探してみるのもおすすめです。
起業家や個人事業主が税理士に相談するメリット
起業家や個人事業主が税理士に相談するメリットは、主に以下の6つです。
- 記帳業務を任せられる
- 税務調査対策ができる
- 決算・税務申告がスムーズかつ正確にできる
- 資金調達の支援をしてくれる
- 経営相談ができる
- 節税対策ができる
税理士に相談すれば経理や税金に関する煩雑な業務や手続きを任せられるだけでなく、経営相談の壁打ち相手にすることも可能です。
税理士が行う申告業務は個人事業主や法人が必ずしなければいけない業務です。しかし、慣れていないと時間や手間がかかったりミスをしてしまったりすることもあります。
経理や税金に関する業務をすべて任せてしまいたいと考えている方や経営に関するアドバイスが欲しいと考えている方は、税理士に相談するのがおすすめです。
税理士の相談料が適正額か判断する3つのポイント!相談料が違う理由とは
税理士の相談料が違う理由は、対応できる業務範囲が異なるためです。例えば、節税対策など単発の依頼に応じることが多い税理士は中小企業を主な顧客に設定しているため、比較的安く依頼できます。
一方で、コンサルティングなど専門的な知識が求められる場合は複数の税理士で対応したり大企業を相手にしたりすることが多いため、相談料が高くなる傾向にあります。
ここでは、税理士の相談料が適正額か判断するポイントを3つ紹介します。
- 税理士への依頼内容や範囲を明確にする
- 契約に含まれる業務範囲を確認する
- 報酬の内訳を細かく確認する
それぞれのポイントを詳しく解説します。
税理士への依頼内容や範囲を明確にする
税理士への相談をする際には、依頼内容や範囲を明確にすることが重要です。依頼する業務や相談内容によって、相談料は変動することがあります。
例えば、個人の確定申告や法人の決算業務など依頼内容によって必要な作業や時間が異なるため、相談料も異なります。
税理士への依頼内容や範囲を明確にすることで、相談料が適正かどうかを判断できます。
契約に含まれる業務範囲を確認する
税理士と交わした契約書には、具体的にどのような業務を担当するのかが記載されています。業務範囲が広い場合、相談料も高くなる可能性があります。
契約に含まれる業務範囲を確認することで、相談料が適正かどうか判断できます。
報酬の内訳を細かく確認する
税理士への報酬の内訳には、基本報酬や業務報酬などがあります。基本報酬は、例えば相談時間や提供する書類などの基本的な業務に対する報酬です。
一方で、業務報酬は追加の業務や特殊な業務に対する報酬です。
報酬の内訳を細かく確認することで、税理士の相談料が適正かどうか判断できます。
税理士と顧問契約を結ぶのにおすすめのタイミング
最後に、税理士と顧問契約を結ぶのにおすすめのタイミングを3つ紹介します。
- 法人化する直前
- 起業から1~2年後
- 年間売上が1,000万円超
それぞれのタイミングを詳しく解説します。
法人化する直前
法人化した直後した直後は税理士と顧問契約を結ぶのにおすすめのタイミングです。法人化により会社の経理や資金調達に関する相談が増えるため、税理士との顧問契約は個別に相談するより最終的な費用が抑えられる場合があります。
さらに、法人化により税務申告や決算書の作成業務、社会保険に加入するための事務作業が必要になりますが、税理士との顧問契約を結ぶことで煩雑な業務を任せられ、コア業務により多くのリソースを割けるようになります。
起業から1~2年後
起業してから1〜2年ほど経った段階で経営が順調に進み、安定的に成長しているタイミングも税理士と顧問契約を結ぶのにおすすめです。
安定的に成長している状況では税務調査の対象になる可能性が高く、税務調査の対応に関するアドバイスが必要になるためです。
税務調査の対象は公開されていませんが、急速に売り上げが伸びている場合は対象になりやすいと言われています。
年間売上が1,000万円以上
年間売上が1,000万円を超えるタイミングも、税理士と顧問契約を結ぶのにおすすめのタイミングです。なぜなら、年間売上が1,000万円を超えると翌々期から消費税の課税事業者に変わるためです。
例えば、個人事業の場合2022年の年間売上が1,000万円を超えると、2024年からは課税事業者として消費税を納める必要があります。
消費税の課税事業者になると、個人事業主は所得税(法人は法人税)と同時に消費税も申告しなければならなくなり、税務申告がより複雑になります。税理士と顧問契約を結ぶことで、煩雑な税務申告業務を委ねられ、業務の負担を軽減できるでしょう。
大阪の税理士ならハートランド税理士法人がおすすめ
経理や税金に関する手続きは、個人事業主や法人の方であれば必ずしなければなりません。しかし、リソースが足りずに手が回っていない方も多いのではないでしょうか。
経理や税金に関する煩雑な手続きを任せたりミスをなくしたりするためにも、個人事業主や法人の方は定期的に税理士と相談するのがおすすめです。
税理士への相談を検討している方は、私たちハートランド税理士法人へお気軽にお問合せください。
監修:大久保 明信(おおくぼ あきのぶ)
・ハートランド税理士法人 代表社員(近畿税理士会所属、税理士番号:127217)
・ハートランドグループ代表取締役社長
1986年生まれ高知県出身。大阪市内の税理士事務所で経験を積み、2015年に28歳(当時関西最年少)でハートランド会計事務所(現:ハートランド税理士法人)を開業。社労士法人併設の総合型税理士法人として、2024年には顧問先数1,200件を突破。法人の税務顧問を中心に、国税局の複雑な税務調査への対応や経営へのコンサルティング等、顧問先のトータルサポートに尽力中。