親・家族の死亡後の手続きを徹底解説!公的・税金・解約手続きを時系列別に紹介

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親や家族が亡くなったとき、どのような手続きをすればよいかわからないと不安に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

人が亡くなった後には大きく分けて「公的」「税金」「解約」の3つの手続きが必要不可欠です。

この記事ではそれぞれのカテゴリに分けて、以下の3つについて解説します。

  • 初七日までに済ませなくてはいけない手続き
  • 死亡してから7日後以降に行わなくてはならない手続き
  • 各種解約手続き

大切な親や家族が亡くなったときに慌てないよう、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。

親・家族の死亡後の公的・税金手続き一覧

大切なご家族を亡くされた直後は、深い悲しみに包まれることでしょう。

しかしその一方で、故人の死に伴い、さまざまな公的な手続きや税金に関する届け出、支払いなどが生じます。

これらの手続きは、故人の財産や権利関係を整理し、遺族の生活を安定させるために不可欠なものです。

ご遺族が混乱することなく順序立てて手続きを進められるよう、死亡後の主要な公的手続きと税金に関する手続きを時期ごとに分けて分かりやすく解説します。

手続きの期限手続き内容手続き先
すみやかに死亡診断書・死体検案書の受け取り病院または警察
すみやかに葬儀会社への連絡・葬儀の打ち合わせ葬儀社
すみやかに訃報の連絡関係者
7日以内死亡届の提出・火葬許可証の受け取り市区町村役場
7日以内葬儀の手続き・初七日葬儀社
10日または14日以内年金受給停止年金事務所・年金相談

センター

5日または14日以内健康保険の資格喪失届市区町村役場または

協会けんぽ

14日以内介護保険資格喪失届市区町村役場
14日以内住民票の世帯主変更届市区町村役場
1カ月以内雇用保険受給資格者証の返還雇用保険を受給していたハローワーク
3ヶ月以内固定資産税の納税市区町村役場
4ヶ月以内所得税の準確定申告・納税税務署
10ヶ月以内相続税の申告・納税最寄りの金融機関または

所轄税務署

2年以内国民年金の死亡一時金請求市区町村役場・年金事務所・年金センター
2年以内埋葬料請求健康保険組合または

協会けんぽ

2年以内葬儀費用請求亡くなった人が住んでいた市区町
2年以内高額医療費の還付申請健康保険組合・協会けんぽ・市区町村
5年以内遺族年金の請求年金事務所

初七日までに済ませなくてはならない手続き

故人が亡くなってから初七日を迎えるまでの期間は、葬儀の準備や弔問客の対応に追われる日々となります。

しかし、この時期に特に重要な手続きがいくつか存在するため、以下の手続きを迅速に行うことが重要になってきます。

  • 死亡診断書・死体検案書の受け取り
  • 葬儀会社への連絡・葬儀の打ち合わせ
  • 訃報の連絡
  • 死亡届の提出・火葬許可証の受け取り
  • 葬儀の手続き・初七日

死亡診断書・死体検案書の受け取り

故人が医療機関で息を引き取られた場合は、医師から死亡診断書が交付されます。

一方、自宅などで予期せぬ形で亡くなられた場合は、警察による検視の後、死体検案書が発行されます。

これらの書類は、死亡という事実を公的に証明するものであり、死亡届の提出をはじめ、各種保険の手続きなど、以後の多くの手続きで必要です。

受け取った際には、氏名や死亡日時などに誤りがないかを丁寧に確認し、大切に保管しましょう。

葬儀社への連絡・葬儀の打ち合わせ

故人のご冥福を祈り、適切に弔うためには、葬儀社へすみやかに連絡をするべきでしょう。

葬儀社とは主に以下の内容を詳細に打ち合わせます。

  • 葬儀の形式(一般葬、家族葬、一日葬、火葬式など)
  • 規模(参列者の人数)、日程、場所(自宅、斎場、寺院など)
  • 予算

葬儀費用は、形式や規模、選択するプランによって大きく変動するため、複数の葬儀社から見積もりを取り、サービス内容と費用を慎重に比較検討できるのがベストです。

故人の遺志やご遺族の意向を尊重し、後悔のないお別れができるよう、葬儀社と密に連携を取りながら準備を進めます。

訃報の連絡

故人の逝去を、親族・友人・勤務先・故人が所属していた団体など、故人と関係の深かった方々へ迅速かつ正確に伝える必要があります。

連絡手段は、相手との関係性や緊急度によって適切に使い分けてください。

近親者や特に親しかった友人へは電話で直接、遠方の親族や勤務先へは手紙やメールで丁寧に知らせるなど、状況に応じた適切な方法を選びましょう。

訃報を伝える際には、故人の氏名・死亡日時・葬儀の日程や場所・喪主の名前なども併せて伝えることで、参列を希望する方がスムーズに準備を進めることができます。

死亡届の提出・火葬許可証の受け取り

故人の死亡の事実を法的に登録するために、死亡診断書または死体検案書とともに、死亡届を故人の本籍地または死亡地の市区町村役場に提出する必要があります。

提出期限は、死亡の事実を知った日から7日以内と法律で定められています。

また、火葬を行うためには、死亡届を提出する際に火葬許可証の交付を必ず申請する必要があります。

火葬許可証は、火葬を行う際に火葬場に提出する必須の書類であり、これがないと火葬を行うことができません。

葬儀の手続き・初七日

葬儀は故人との最期のお別れをするための重要な儀式です。

故人の信仰していた宗教や宗派の儀礼にのっとり、地域の慣習に従って執り行われるのが一般的です。

葬儀の形式・読経や焼香の順序・参列者の範囲などを決定し、必要な手配を進めます。

葬儀後には、一般的に初七日法要が営まれ、故人の冥福を祈ります。

葬儀と初七日の日程、場所、参列者の範囲などを決定し、僧侶の手配や供物の準備など、スムーズかつ着実に準備を進めていきましょう。

死亡してから7日後以降の手続き

故人が亡くなって1週間が過ぎると、徐々に各種の公的手続きや税金に関する手続きを開始する必要があります。

以下の手続きは、故人の遺産や社会的な権利義務を整理し、遺族の生活を保障するために欠かせないものです。

  • 年金受給停止
  • 健康保険の資格喪失届
  • 介護保険資格喪失届
  • 住民票の世帯主変更届
  • 雇用保険受給資格者証の返還
  • 固定資産税の納税
  • 所得税の準確定申告・納税
  • 相続税の申告・納税
  • 国民年金の死亡一時金請求
  • 埋葬料請求
  • 葬儀費用請求
  • 高額医療費の還付申請
  • 遺族年金の請求

手続きによっては期限が定められているものもあるため、計画的に、漏れなく進めることが重要です。

年金受給停止

故人が国民年金または厚生年金保険を受給していた場合、その年金の受給を停止する手続きを速やかに行う必要があります。

年金受給者が死亡した場合、遺族は原則として厚生年金は10日以内・国民年金は14日以内に年金事務所または市区町村役場に届け出なければなりません。

手続きが遅れると、過払いとなった年金を遡って返還する必要が生じる可能性があります。

年金の種類や故人の加入状況によって必要な書類が異なるため、事前に年金事務所のWebサイトで確認するか、窓口に問い合わせましょう。

未支給年金や遺族年金の請求手続きも、この時期にあわせて検討してもよいでしょう。

健康保険の資格喪失届

故人が健康保険に加入していた場合、その資格を喪失させる手続きが必要です。

故人が国民健康保険に加入していた場合は、市区町村役場に届け出を行います。

会社の健康保険に加入していた場合は、勤務先を通じて健康保険組合へ届け出るのが一般的で、いずれにしても健康保険証は返却する必要がある場合が多いでしょう。

資格喪失の手続きを行うことで、故人の葬儀を行った人に対して、葬祭費や埋葬料が支給される場合があります。

支給額や請求に必要な書類、請求期限(通常は死亡日の翌日から2年以内)を確認し、忘れずに申請しましょう。

介護保険資格喪失届

故人が介護保険の被保険者であった場合、介護保険の資格喪失届を市区町村役場に提出する必要があります。

介護保険証も同様に返却を求められることがあります。

この手続きを行うことで、故人が生前に高額な介護サービスを利用していた場合に、高額介護サービス費の払い戻しを受けられる可能性があります。

また、葬祭費の支給対象となる場合もありますので、市区町村役場の介護保険担当窓口に確認しましょう。

住民票の世帯主変更届

故人が世帯主であった場合、住民票の世帯主を変更する手続きが必要です。

故人の死亡により世帯主が不在となった場合、残された世帯員の中から新たな世帯主を選定し、市区町村役場に届け出を行います。

行政からの重要な通知や郵便物の宛先などに影響するため、速やかに行うことが推奨されます。

雇用保険受給資格者証の返還

故人が雇用保険の受給資格者証を持っていた場合、ハローワークに返還しなければなりません。

受給期間中に死亡した場合、未支給の給付金が遺族に支払われることがあります。

手続きに必要な書類や期限については、管轄のハローワークに問い合わせて確認してください。

固定資産税の納税

故人が不動産を所有していた場合、その不動産に課せられる固定資産税の納税義務は相続人に引き継がれます。

固定資産税は、毎年1月1日時点の所有者に対して課税されるため、年の途中で故人が亡くなった場合でも、その年度の納税義務は相続人が負うことになります。

納税通知書は相続人に送付されるため、記載された期日までに忘れずに納付しましょう。

所得税の準確定申告・納税

故人が亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得について、相続人は故人に代わって所得税の確定申告と納税を行う必要があります。

これを準確定申告と呼び、相続の開始を知った日の翌日から4ヶ月以内に行わなければなりません。

準確定申告が必要となるのは、故人に一定以上の所得があった場合などです。

手続きの要否や必要書類については、税務署や税理士に相談することをおすすめします。

相続税の申告・納税

故人の遺産総額が基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合、相続人は相続税の申告と納税を行う義務が生じます。

相続税の申告期限は、故人が亡くなった日の翌日から10ヶ月以内です。

遺産の評価や相続税額の計算は専門的な知識を要するため、税理士に相談することも視野に入れるとよいでしょう。

申告漏れや期限遅れには、加算税や延滞税といったペナルティが課せられるため、十分な注意が必要です。

国民年金の死亡一時金請求

故人が国民年金の被保険者であり、一定の要件を満たす遺族がいる場合、死亡一時金を請求することができます。

請求期限は、故人が亡くなった日の翌日から2年以内です。

手続きに必要な書類は、年金事務所または市区町村役場に問い合わせて確認しましょう。

埋葬料請求

故人が国民健康保険または後期高齢者医療制度の被保険者であった場合、故人の葬儀を行った人に対して埋葬料が支給される制度があります。

請求期限は、故人が亡くなった日の翌日から2年以内です。

加入していた保険の窓口である市区町村役場で請求方法を教えてもらえます。

葬儀費用請求

故人が加入していた健康保険によっては、故人の葬儀を行った人に対して葬祭費が支給されることがあります。

請求期限は、故人が亡くなった日の翌日から2年以内です。

手続きに必要な書類は、加入していた健康保険組合または市区町村役場に問い合わせて確認しましょう。

高額医療費の還付申請

故人が亡くなるまでの間に支払った医療費が高額になった場合、高額医療費の還付を受けられる可能性があります。

申請期限は、診療を受けた月の翌月の初日から2年以内です。

遺族年金の請求

故人が国民年金または厚生年金保険の被保険者であった場合、遺族は遺族年金を請求することができます。

遺族年金には、遺族基礎年金、遺族厚生年金などいくつかの種類があり、遺族の状況(配偶者の有無、子の有無など)や故人の年金加入状況によって受給できる年金が異なります。

請求期限は原則として5年以内です。

必要書類や請求方法は年金事務所または市区町村役場で教えてもらえます。

親・家族の死亡後の解約手続き一覧

故人が契約していた様々なサービスや会員権などは、死亡後に解約や名義変更の手続きが必要です。

以下の解約または変更手続きを怠ると、不要な料金が発生し続ける・契約が自動更新されるなどのリスクがあります。

  • 電気・ガス・上下水道の名義変更・解約
  • 携帯電話・固定電話・インターネットの名義変更・解約
  • クレジットカードの解約
  • 運転免許証の返納
  • マイナンバーカードの返納
  • 保険証の返却
  • パスポートの返納
  • 金融機関への連絡
  • 保険会社への連絡

故人の契約状況を整理し、適切な手続きを進めましょう。

電気・ガス・上下水道の名義変更・解約

故人が契約していた電気、ガス、上下水道は、引き続き利用するか否かによって、名義変更または解約の手続きを行います。

継続して利用する場合は、名義人を変更し、支払い方法などを改めて設定する必要があります。

利用しない場合は、解約の手続きを行い、最終料金を精算してください。

各事業者によって連絡先や必要書類が異なるため、契約時の書類を確認するか、直接問い合わせましょう。

携帯電話・固定電話・インターネットの名義変更・解約

故人が契約していた携帯電話・固定電話・インターネット回線は、解約または名義変更の手続きが必要です。

解約せずに放置しておくと基本料金が発生し続けるため、早めに手続きをしてください。

名義変更する場合は、契約内容の変更が必要となる場合もあります。

契約しているそれぞれの通信事業者へ連絡し、手続きの詳細を確認してください。

クレジットカードの解約

故人が所有していたクレジットカードは、不正利用を防ぐため、速やかに解約手続きを行ってください。

カード会社に電話で連絡し、死亡した旨を伝えて解約の手続きを進めます。

引き落とし口座の変更や、家族カードの扱いについても確認しましょう。

放置しておくと、年会費が発生し続けるのはもちろん、第三者による不正利用のリスクが高まる可能性もあります。

運転免許証の返納

故人が運転免許証を所持していた場合、自主的に返納する手続きを行うことができます。

返納は法律上の義務ではありませんが、故人の身分証明書としての効力が失われるため、必要に応じて手続きを行います。

返納手続きは、最寄りの警察署や運転免許センターで行いましょう。

マイナンバーカードの返納

故人がマイナンバーカードを所持していた場合、返納の手続きをしてください。

マイナンバーカードは、さまざまな行政手続きに用いられるため、死亡届の提出と同時に市区町村役場の窓口で行うことが一般的です。

保険証の返却

故人が加入していた健康保険の保険証は、資格喪失の手続きとあわせて返却する必要があります。

国民健康保険の場合は市区町村役場へ、会社の健康保険の場合は勤務先を通じて健康保険組合へ返却します。

後期高齢者医療被保険者証も同様に返却が必要です。

パスポートの返納

故人がパスポートを所持していた場合、返納の手続きを行ってください。

返納は義務ではありませんが、故人の身分証明書としての効力がなくなるため、必要に応じて手続きを行います。

都道府県のパスポートセンターで返納手続きを行うことができます。

金融機関への連絡

故人の預貯金口座・証券口座・投資信託口座など関連する金融機関すべてに、故人が死亡した旨を連絡する必要があります。

連絡を怠ると、口座が凍結され、遺産分割協議が完了するまで引き出しなどの取引ができなくなる可能性があるので、注意してください。

各金融機関によって手続きの方法や必要書類が異なるため、個別に問い合わせる必要があります。

保険会社への連絡

故人が生命保険や損害保険などに加入していた場合、保険会社に連絡し、保険金の請求手続きを行う必要があります。

保険の種類や契約内容によって、請求に必要な書類や手続きの流れが異なります。

保険証券などを確認し、契約している保険会社に速やかに連絡を取りましょう。

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親しい家族を亡くした後の手続きは、煩雑で精神的な負担も大きいものですが、故人の遺志を尊重し、残されたご家族の生活を守るために、ひとつひとつ丁寧に進めていくことが大切です。

もし、手続きに関して不明な点や不安なことがあれば、ためらわずに行政書士・司法書士・税理士など専門家への相談をご検討ください。

ハートランド税理士法人では、大切な人が亡くなった後の手続きに関する相談を承っております。

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