融資だけじゃない!ベンチャーが利用できる銀行支援を使いこなす方法

起業間もない創業期の企業にとって、ある程度のキャッシュを確保することは、その後のビジネスの成功や成長性を考えてみても必須といえます。

こうした資金調達において、日本の銀行は、元来ローリスクローリターンを狙い、ベンチャー企業や新興企業などに対してほとんど興味を持っていませんでした。

しかし、最近では積極的にベンチャー企業や新興企業にアプローチをかけコミュニケーションを取ったり、あるいはベンチャー企業向けの商品を売り出したりと、日本の銀行も動き出しています。

どうしてこのような動きが生まれているのでしょうか。

1.なぜ銀行は最近ベンチャーを支援するようになったか

銀行がベンチャー企業の支援を進めている理由は、様々な環境の変化があるといわれています。

例えば、企業の数が少なくなってきているのもその一つの理由といえるでしょう。

2009年~2014年にかけて、日本の中小企業は39万社減ったといわれています。この現象に伴い、銀行の貸し出し収益も右肩下がりとなっているのです。
減った分は増やせばいいという考え方がありますが、増やすためには育てる必要があります。

つまり、銀行は減った分の顧客を、ベンチャー企業を育てることで補おうとしているのです。
また、国内のベンチャー企業への支援は2018年には4000億円前後とみられています。

この金額は、ベンチャーキャピタルの数字も入っていますが、年間3兆円規模といわれているアメリカや中国と比べると明らかに少ない状況といえるでしょう。
こうした状況を改善するためにも政府自体が動いているという話も聞こえてきます。

2.銀行をまるっと活用!ベンチャー支援する銀行のサービスとは

では、実際に銀行はどのような活動をしているのでしょうか。
まずは主要銀行についてみていきましょう。
みずほ銀行は、2018年7月4日に、都内で商談会を開催しました。
この商談会の出席者は大企業とベンチャー企業を合わせて300社という非常に大きなものです。

みずほ銀行は、2016年に商談会を開始し、今回で3年目。
500件以上に上る商談が行えたと、お互いにメリットを感じています。みずほ銀行のベンチャー向け融資残高は、なんと2018年に500億円を超えているといわれており、その姿勢は本気といえるでしょう。

また、三井住友フィナンシャルグループでは、2016年からベンチャーを主体としたコンテストを開き、将来の有望企業にアプローチしようとしています。
2018年3月に開かれたコンテストでは、AIやIT、医療などの分野から31社が参加したと発表しました。
主要銀行の積極的な動きは、地方銀行にも大きな影響を与えています。

百五銀行では、ビジネスサポート部門のひとつの分野として、ベンチャー企業に対して創業融資制度や補助金などの各種情報を提供するというサービスを行っています。

また、常陽銀行では、茨城県内での操業予定の企業を対象に、創業や事業開始の準備資金として、2,000万円以内の融資枠と、設備資金として1億円以内の融資枠を設けた創業支援プランを提案しています。
このサービスのポイントは保証人を茨城県信用保証協会の保証を以て融資が行われるため、実質必要ないという点でしょう。

他にも、融資以外での特待サービスを提供している銀行も出てきました。

中京銀行では、提供しているサービスを無料で利用できる「支援パッケージ」を提供しています。

また、今回ご紹介していないような銀行でも、会計や財務のお金の相談に無料で応じていたり、あるいはベンチャー企業に強い弁護士や公認会計士などの専門家との橋渡しを行ったりといったサービスを展開している銀行は非常に多く出てきました。

資金の厳しいベンチャー企業にとって、銀行の支援を受けやすい環境が整いつつあるのです。

3.融資か出資かベンチャー企業から見る銀行融資のメリットとは

ベンチャー企業にとって、果たして融資か出資かどちらを選べばいいのかは非常に難しい問題です。
というのも、どちらもメリットとデメリットがありますが、ベンチャー企業にとってそのデメリットがなかなか目をつぶりにくいことでもあるためといえるでしょう。

まず、出資のメリットデメリットですが、出資のメリットは返済の必要がないという点です。
また、利息というものがなく、担保や保証人も必要ないのが一般的です。

出資とは、基本的に「会社の成長性」や「事業の成長性」を期待し、会社の株式や配当を見返りに金銭を提供することといえます。
つまり、出資はそもそも返さなければならないお金ではないのです。経営者や創業者にとっては、出資に対しては「事業を成長させる」「利益を出す」といった、起業する上での当たり前のことに注力すればいいという点が、非常に大きいポイントといえるでしょう。

自分のリソースを全て事業につぎ込むために、出資を募るというイメージです。
一方で出資にもデメリットがあります。
特に多いのは「経営の自由度が奪われる」という点でしょう。

出資の際には、多くの場合、出資者に株式を提供することになります。
これは、経営に対して発言権を渡すことになり、最悪、経営者よりも強い立場になってしまいがちです。
株主の力によって、創業者が会社から追放されてしまうといったことは、日本ではよくあることです。

一方、融資のメリットデメリットはどうでしょうか。
融資の大きなメリットは、手元資金を厚くしておくという点でしょう。
融資の場合、株式を手放すといった経営の根幹に関わるデメリットがほとんどないという点が極めて大きいといえます。

そのため、受け取った資金は自由に差配していくことが出来ます。
事業全体の影響力も減らずに、ただ経営に関する資金が増えるといった状況になるといえるでしょう。

また、銀行からの大型の融資を受けることが出来たという事実が、そのまま社会的信用に繋がることがあります。
ベンチャーや創業間もない企業にとって、社会的信用性を高める絶好の機会といえるでしょう。

一方で、銀行融資の問題は、利子があることに加えて、決まった期日までにお金を返さなければならないという点です。

結果的に事業で生まれた資金が増えていかず、なかなかスケールアウトできないという結果になってしまうこともよくあります。

このように、出資がいいか融資がいいかという問題は、その時のビジネスの状況に大きく影響を受けるため、一概にどちらがとは言いにくい状況です。
しかし、出資以外の手段をいくつか用意しておくことは、経営にゆとりを生みます。

ぜひ、銀行融資の可能性も模索してみてください。

4.銀行融資をゲットするには、専門家を使うべきか否か

基本的に銀行はリスクを嫌います。
一方でベンチャーキャピタルはリスクよりもリターンを好みます。そのため、銀行とのやり取りではローリスクであること、ベンチャーキャピタルとのやり取りではハイリターンであることを強調する必要があるのです。

また、銀行は、他者がどう考えているのかという客観的視点がものをいうことがあります。
そのため、弁護士や公認会計士、中小企業診断士などの専門家の知恵や経験を使うことは、融資の成功率を高めることに繋がることも少なくありません。

銀行融資を受けたいと考えているのであれば、ぜひそうした専門家に一度資料を見てもらうといったことも成功の秘訣といえるでしょう。

5.まとめ

ベンチャー企業や創業間もない企業でも、銀行融資が受けれる時代となりつつあります。
銀行融資のメリットデメリットを理解して、事業の成功率を高めていきましょう。

銀行の融資を勝ち取るのは、創業間もない企業ではとても難しいです。
逆に取れるはずなのに、とれなかった融資や助成金もあります。
チャンスを逃さないためにも、創業融資に特化した専門家に相談いくことをお勧めします。