会社設立に必要な7つの費用とは?各費用の金額、勘定科目や仕訳についても解説

起業を考えている人にとって、会社設立にあたってどの程度お金がかかるのかは気になる点かと思います。

例えば、資本金は少なくても会社を設立できますが、手続きに必要となる費用がかかるため、ある程度の資金を用意しなくてはなりません。

また、設立後に会社設立費用をどのような勘定科目で仕訳すれば良いか、あまり分からない人も多いかもしれませんね。

ここでは会社設立のために必要となる費用と、その仕訳方法の基礎知識について解説します。

会社設立に必要な7の費用とそれぞれの金額は?

会社を設立する場合、株式会社か合同会社のどちらかを選択することができますが、ここでは株式会社に必要となる7つの費用について、簡単に説明します。

(1)資本金

開業した時点で起業が所有している運転資金のことを、資本金といいます。

定款に定めた資金のことですが、平成18年に施行された新会社法により、現在は1円以上あれば会社を設立することが可能であるため、経営者が自由に金額を設定することができます。

そのため、資本金自体にはあまり意味はなく、開業にそれほど大きな影響を与えることはありません。

とはいえ、実際には開業後の収益や費用を予想して算定した運転資金をベースとし、資本金額を決めるのが一般的です。開業してすぐに収益が上がらないことを想定し、売り上げがなくてもしばらくは運営ができるよう、数カ月単位の予算を確保しておくべきでしょう。

(2)定款に貼る収入印紙代

会社の憲法ともいわれる定款は、商号や事業内容、役員数など、企業が活動を行う上の根本的な規則を定めたものを指します。

定款の書式は特に決まっていませんが、必ず記載しなければならない絶対的記載事項と、記載していないと有効にならない相対的記載事項、記載しなくても良い任意的記載事項に分けて記載する必要があります。

定款を認証する際は収入印紙が必要となるため、紙ベースで提出すると印紙代4万円の費用がかかります。

しかし現在では、電磁的記録による電子定款も認められるようになったため、PDFでの提出も可能になっています。電子定款は収入印紙代が不要なので、会社設立費用を削減するのに役立ちます。

(3)公証人手数料

定款の認証は、定款に記載した本店所在地の所轄の公証役場で行います。

公証人に認定を受ける手数料として、5万円の費用がかかります。

(4)定款の謄本手数料

株式会社を設立する場合、公証役場に定款を提出し、公証人に定款認証を受けなくてはなりません。

最初に公証人から認定を受けた定款は原子定款とも呼ばれ、1部は公証役場で、1部は会社で保管します。

会社設立の際に登記申請を行う場合、公証役場で取得した定款を添付する必要があります。会社用の原子定款は保管用になりますので、添付する定款は謄本を取得しなくてはなりません。

謄本とはコピーのことで、その手数料は1ページあたり250円必要になります。例えば、定款が5枚の場合は1250円の費用がかかることになります。

(5)登録免許税

会社設立の登記申請を行う際に、法務局に支払う費用が登録免許税です。

登録免許税法で定められている国税で、法務局で申請するときに納付分の収入印紙を購入する、または金融機関や税務署で現金納付を行います。

株式会社の場合は資本金額の0.7パーセントを支払いますが、この金額が15万円に満たない場合は15万円を支払わなくてはなりません。

登録免許税が15万円を超えるには資本金が2143万円以上かかりますが、初めて会社を設立する場合、ここまで資本金を投入することはほとんどありませんので、登録免許税は15万円と覚えておくと良いでしょう。

(6)登記簿謄本代・印鑑証明書代

銀行口座を開設する場合や、契約を締結する際に必要になります。

登記簿謄本は書面請求で600円印鑑証明書は450円の費用が必要になります。

(7)行政書士や司法書士への報酬費

会社設立の手続きをスムーズに進めるため、行政書士や司法書士へ依頼することもできます。

会社の登記を行うのは司法書士が専門分野となるので、登記手続きを依頼したい場合は司法書士へ、定款作成や定款認証など許認可手続きを依頼したい場合は行政書士を選ぶと良いでしょう。

登記手続きの代行は司法書士しか行えませんが、税務処理や会計処理の相談などは対応できませんので、登記手続きだけを依頼するときに活用するのがおすすめです。税務や決算についての相談は税理士へするのが良いでしょう。

仕訳に必要な会社設立費用の勘定科目

会社設立費用について説明しましたが、会計処理を行う場合、どのような勘定科目で仕訳ければ良いのでしょうか。

会社設立費用は大きく分類すると、

  • 創立費
  • 開業費

の2つに分かれます。

設立前から登記するまでの費用が創立費で、登記後から運営を開始するまでの費用が開業費となります。
各費用には一体どのような項目が含まれるのでしょうか。

創立費

会社を設立登記するまで支出した費用を創立費といいます。

会社設立前に支出している費用にあたります。ちなみに上記で説明した費用は、すべて創立費に含まれますが、資本金は含まれませんので注意が必要です。

また、ほかにも創立費として計上できる費用があります。項目としては以下のとおりです。

  • 定款に記載して創立総会の承認を受けた発起人報酬費用
  • 株式募集のための広告費
  • 株券や目論見書などの印刷費
  • 事務所の賃借料
  • 発起人の報酬
  • 設立事務に使用する使用人の給料
  • 金融機関や証券会社の取扱手数料
  • 株主総会の開催費用
  • そのほか会社設立事務に関する費用

開業費

会社設立手続きの完了後、営業を開始するまでに必要となった費用を開業費といいます。
営業を始めた後に発生した費用は対象外となります。

気を付けなくてはならないのが、開業するために発生した費用であっても、すべて開業費に計上できるわけではありません。開業のために必要な費用だとしても、特別に支出した費用でなければ経常的費用となるため、別の費用として計上するのがルールとなっています。

開業費として計上できる特別支出の項目は以下のとおりです。

  • 開業に必要な備品の購入費
  • 広告宣伝費
  • 市場調査費
  • 旅費交通費
  • 通信費・水道光熱費
  • 接待交際費

パソコンやプリンタなど10万円以上する高額な備品は、減価償却が行えるため、開業費ではなく固定資産として計上しましょう。

会社設立費用の仕訳方法

会計処理を行う場合、最初に資本金を仕訳することから始まります。

  1. 借方に現金(資産)を、貸方に資本金(資本)を計上します。
  2. 次に、設立前に必要となった費用を借方に創立費(資産)として、貸方に現金(資産)計上します。
  3. 開業費も同様に借方に開業費(資産)、貸方に現金(資産)で計上します。
  4. 決算時に繰延資産を償却する場合、借方に創立費、または開業費償却(費用)、貸方に創立費、または開業費(資産)として計上します。

開業費と創立費は、会計上償却期間が決まっていますが、税法上は任意償却となるので、納税者が自由に金額を決めることができます。

そのため、赤字の場合は償却計上を行わず、利益が出てから償却計上を行うことも可能です。

まとめ

会社設立費用とその仕訳方法の基礎知識についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

会社設立費用として計上できる創業費や開業費は、通常行う仕訳処理とは大きく異なる勘定科目です。

創立費は原則として、支出時に費用として処理することができますが、繰延資産として計上することが可能なため、会社が利益を出したときに償却処理をすることを覚えておくと良いでしょう。

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