個人事業主に必須の開業届とは?【入手方法と手続きまでの流れ】

個人事業主として事業を始める際に必要なものの一つに、「開業届」の提出があります。出すとどんなメリットがあるのか、また出さないとどうなるのでしょうか?

ここでは、個人事業主として創業予定の方向けに、開業届の意味、書き方、注意点などをご紹介いたします。

個人事業主に必須!開業届とは?

個人事業主として創業したら、まず税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出しなければなりません。いわゆる「開業届」と一般的に称されているものです。
これは、個人事業主として事業を開始した日から1か月以内に所轄税務署へ提出することになります。

個人事業主は必見!開業届を出す前に確認すべきこと

持ち家を事務所として利用する場合は特に気にならないかもしれませんが、賃貸で借りている自宅を事務所に利用するという場合、果たして利用することはできるのでしょうか。

まずはこの点について確認します。

自宅が賃貸物件の場合

自宅が賃貸物件で、そこを事業用の事務所として使用する場合、開業届を提出するにあたっては特に問題はありません。税務上も賃貸物件で事業は出来ないという決まりはありませんし、不動産会社の観点から見ても問題はありません。

しかし、その事務所に大きな看板を掲げたり何か手を加えたりする場合は、税務の届出書に関係なく、不動産の賃貸契約上大家さんに確認が必要なケースがあります。

自宅が申請不可の場合

賃貸契約書自体に事務所としての使用を禁止している場合は、もちろん申請が不可となります。この場合、自宅での申請が不可なので、違う場所で開業届を提出する必要が出てきます。
最近であれば開業届に使用できる個人事業主向けレンタルオフィスも増えてきたので、そういったところをうまく活用して開業届を提出しましょう。

個人事業主が開業届を出しておくべき理由

それでは、開業届を提出することで受けられるメリット、そして提出したがゆえに受けてしまうデメリットについて解説いたします。

メリットについて

第一に、確定申告の際に青色申告を利用することができることです。つまり10万円、最高で60万円の控除を受けることが可能です。

また、屋号を利用して銀行口座を開設することができます。つまり、個人事業主とは言え、自分の個人名の口座を使用することなく事業用と区別して管理することができるようになります。
さらに、節税対策の一環として小規模企業共済の退職金制度を利用することができます。

デメリットについて

開業届を提出しているにもかかわらず確定申告をしなければ、税務署より申告漏れを指摘されます。仮にそれが意図的ではなかったとしても、そう判断されて無申告ということで罰せられるケースもあります。

その他、会社を辞めて個人事業主として独立した場合、失業手当を受けられないケースもあります。そもそも失業保険とは、再就職に向けた補助のような意味合いがあります。
すぐに事業を始めた場合、「それをするために退職した、次の職はすでにある」と判断されてしまうのです。その点には注意が必要です。

個人事業主のための開業届の入手方法と手続きの流れ

ここで、開業届を提出する具体的な手順について説明しておきます。

①開業届を入手:国税庁のホームページ・税務署

国税庁のホームページから「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」という手続で紹介されている提出・控用をダウンロードします。
書き方のPDFも一緒にアップされているので、これもダウンロードしておくと便利です。

②開業届の費用:かからない

開業届の提出そのものに費用はかかりません。また、この届出は自分で作成できるため作成費用も不要です。税務署へ問合せをしても費用は発生しません。

③提出先:税務署

開業届の提出先は、納税地を所轄する税務署長です。税務署長といっても直接会うわけではなく、税務署の受付に提出するだけで済みます。

提出時に必要な書類・提出期限

提出期限は事業開始の事実があった日から1ヶ月以内です。もし提出期限が土曜日日曜日、祝祭日と重なるようであれば、翌営業日となります。

開業届の書き方

提出先は基本的に住民票がある住所の所轄税務署になります。一部特例もありますが、自宅を事務所にしている場合は住民票の住所になります。

開業届の提出日は必ず1日でなければいけないなどという決まりはありません。提出日が開業日として日付を記入します。

屋号は必須ではありませんが、先にも述べたように屋号がある方が事業用口座を作れるなどのメリットがあります。もし屋号を持っているのであればここで記載しておきます。

提出の区分は、今回新規で開業するのであれば、開業に○をします。所得の種類は事業所得、不動産所得などを記載します。基本的に賃貸料収入を得るような仕事でなければ、事業所得と認識して問題はないでしょう。

個人事業主が開業届を提出と同時にやっておくべきこと

開業届を出せば、それで個人事業主としてスタートできるという訳ではありません。開業届の提出と一緒にやっておいた方が良いことを紹介いたします。

お店の屋号(名前)を決める

屋号を決めておけば、専用口座をつくることができます。
個人事業主とはいえ、個人のお金と事業のお金は分けて管理しておかなければ、万が一税務調査が入った際に誤解を招き、結果的に課税されると言ったケースも否定はできません。
また、どの程度のお金を事業資金として運用できるのかを把握するのにも便利です。

青色申告承認申請書の提出

青色申告で様々な税務の控除を受けたり特典を受けたりするのであれば、青色申告承認申請書も一緒に提出しておくのがベストです。
特に個人事業主の場合は、俗に言う白色申告と青色申告では、税額控除に大きな差が生まれます。青色申告のメリットを享受するためにも、いち早く提出しておきましょう。

源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書

「源泉所得税の納期の特例」とは、毎月納付している源泉所得税を年2回の納付にできる制度です。
例えば、事業を始めたばかりで源泉所得税が発生しないと言った場合であれば、納期の特例を活用して7月と翌年1月の2回、半年分をまとめて納める方法の方が良いでしょう。
ただし、個人事業主でも事業が軌道に乗り従業員を雇ってそれなりに所得税を納めるようになれば、毎月納付の方が納税資金を均等化できるので納めやすくなるといったこともあります。

なお、この特例は、給与を支払っている人数が常時10人未満である場合で、もし10人以上になった場合は取下げが必要です。
また、納期特例で使用する源泉所得税の納付書と毎月納付の納付書には違いがあるので、同じものは使用できないと認識しておく必要があります。

給与支払事務所等の開設届出書

個人事業主であっても、国内で給与の支払いを行う事務所を開設した場合には、「給与支払事務所等の開設届出書」の提出が必要です。
これは給与の支払者が提出しなければいけない届出書で、一度提出すれば廃業するまで取下げる必要はありません。また、従業員が増えてもその人数に左右されることはありません。

個人事業主が開業届を出さなくても罰則はない

開業届を提出していないからといって、特別何かの罰則が課せられるということはありません。提出していなければ、青色申告のような特典や税務署からの案内が届かないということになります。

しかし、補助金などの申請を行う際に提出しなければいけない書類の中に開業届が含まれている可能性があります。そういったところでも使用できますので、個人事業主として創業するなら提出しておく方が後々受けられるメリットは大きいといえます。

まとめ

開業届を提出しなくても罪には問われませんが、青色申告や各種手続きには必要となるものです。個人事業主となったら、まずは税務署に開業届を提出しましょう。

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