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税務調査は、すべての納税者に対して一律に行われるわけではなく、不正が疑われる場合や申告内容に不自然な点がある場合によく行われます。
ただし、税務調査が入りやすい個人事業主の特徴も存在し、具体的には以下の通りです。
- 確定申告を行っていない
- 申告漏れが多い業種を営んでいる
- 売上が伸びている
- 売上が1,000万円にわずかに届いていない
- 多額の経費が計上されている
- 現金商売をしている
- 税理士が付いていない
この記事では、以下のような税務調査が来やすい個人事業主の特徴を解説します。
- 税務調査とは
- 税務調査が入りやすい個人事業主の7つの特徴
- 税務調査が入ったときの3つのポイント
- 税務調査が来やすい時期
- 税務調査が来る確率
税務調査だけ適切に対応しても、追徴課税や指導は入る可能性はあります。税務調査が入っても冷静に対応できるよう、日々の記帳や申告書は税理士にチェックしてもらうと良いでしょう。
大阪で税務調査の対策でお困りの方は、国税局OB在籍のハートランド税理士法人へご相談ください。無料で相談に乗らせていただきます。
税務調査とは?
税務調査とは、税務署が個人や法人の納税内容を確認し、適正な納税が行われているかを確認する手続きです。税務調査は申告内容に不自然な点がある場合や、過去に誤りがあった場合に行われることが多いです。
通常、調査は事前に通知されますが、悪質な脱税が疑われる場合は予告無しで実施されることもあります。調査の対象は、所得税や法人税、消費税など多岐にわたります。
なお、調査結果に基づいて追加納税が必要となる場合や重加算税が課される場合もあります。
税務調査が入りやすい個人事業主の7つの特徴
税務調査が入りやすい個人事業主には7つの特徴があります。
- 確定申告を行っていない
- 申告漏れが多い業種を営んでいる
- 売上が伸びている
- 売上が1,000万円にわずかに届いていない
- 多額の経費が計上されている
- 現金商売をしている
- 税理士が付いていない
それぞれの特徴を解説します。
確定申告を行っていない
税務調査が入りやすい個人事業主の特徴として、確定申告を行っていない場合が挙げられます。確定申告は、個人事業主にとって義務であり、正確に行う必要があります。
しかし、申告がまったく行われていなかったり期限内に提出されていなかったりすると、税務署から無申告や申告内容の誤りを疑われることがあります。特に、収入が一定以上あるにも関わらず、確定申告が行われていない場合は脱税の疑いが生じるため、税務調査の対象となるリスクが高まります。
確定申告は、適切な時期に正確に行うことが重要です。
申告漏れが多い業種を営んでいる
税務調査が入りやすい個人事業主の特徴として、申告漏れが多い業種を営んでいる場合が挙げられます。特に、現金取引が主な業種や、経費の計上が複雑な業種では、申告漏れが発生しやすくなります。例えば、飲食業や美容業、建設業などは、現金の取り扱いが多いため、売上や経費の把握が難しいことがあり、申告漏れのリスクが高まります。
税務署は、過去のデータや統計を基に、申告漏れの多い業種を調査対象とすることがあるため、該当する業種を営む場合は特に注意が必要です。
売上が伸びている
税務調査が入りやすい個人事業主の特徴として、売上が急激に伸びている場合が挙げられます。売上が大幅に増加した際、税務署はその売上が正確に申告されているかを確認する必要があると判断します。
特に、過去の売上と比較して異常に高い成長が見られる場合や新たに大口の取引が増えた場合、正確な申告が行われているかを確認するために税務調査の対象となりやすいです。売上の増加が正当なものである場合でも帳簿や記録を正確に整備し、税務署に対して適切な説明ができるよう準備しておくことが重要です。
売上が1,000万円にわずかに届いていない
税務調査が入りやすい個人事業主の特徴として、売上が1,000万円にわずかに届いていない場合が挙げられます。1,000万円は消費税の課税事業者となる基準額であり、この金額に近い売上を計上している場合は意図的に売上を少なく見せて課税を回避しているのではないかと疑われることがあります。
特に、複数年にわたり売上が1,000万円に近い水準で推移している場合、税務署は売上の計上方法に不自然な点がないかを確認するために調査を行う可能性があります。
正確な売上、経費の適切な記帳が重要であり、疑いを生まないような透明性のある経営を心がけることも、税務調査を避けるために必要です。
多額の経費が計上されている
税務調査が入りやすい個人事業主の特徴の一つとして、多額の経費が計上されている場合が挙げられます。特に、売上に対して異常に高い割合で経費が計上されている場合や、経費の内容が不明瞭な場合、税務署はその経費が本当に事業に必要なものかを確認する必要があると判断します。
また、経費の内容がプライベートな支出に関連している可能性がある場合や家族や親族への支払いが多額である場合も税務署に疑われる要因となります。正当な経費であれば問題ありませんが、税務調査を避けるためには領収書の保存や経費の詳細な記録をきちんと行い、適切に申告することが大切です。
現金商売をしている
税務調査が入りやすい個人事業主の特徴として、現金商売をしている場合が挙げられます。現金取引が多い業種では売上や経費の管理が難しく、不正な取引や申告漏れが発生しやすいと考えられています。
特に、飲食業や小売業、美容業など、現金のやり取りが頻繁に行われる業種では、売上を過少に申告するリスクが比較的高いため、税務署は注意を払っています。
税理士が付いていない
税務調査が入りやすい個人事業主の特徴として、税理士が付いていない場合が挙げられます。税理士は税務申告や帳簿管理において専門的な知識と経験をもっており、適切な申告が行われるようサポートします。
しかし、税理士が付いていない個人事業主は自身で申告を行う必要があり、申告内容に誤りや漏れが生じる可能性が高くなります。特に、税制の理解が不十分であったり帳簿管理が不適切であったりすると、税務署から疑われやすくなります。
税務調査を避けるためには税理士のアドバイスを受け、正確な申告を行うことが重要です。
税務調査だけ適切に対応しても、追徴課税や指導は入る可能性はあります。税務調査が入っても冷静に対応できるよう、日々の記帳や申告書は税理士にチェックしてもらうと良いでしょう。
大阪で税務調査の対策でお困りの方は、国税局OB在籍のハートランド税理士法人へご相談ください。無料で相談に乗らせていただきます。
税務調査が入ったときの3つのポイント
税務調査が入ったときに気を付けるべき主なポイントは以下の3つです。
- 誠実かつ毅然と対応する
- 必要な書類はコピーを取っておく
- 税理士に立ち会ってもらう
それぞれのポイントを詳しく解説します。
誠実かつ毅然と対応する
税務調査が入った際は、誠実かつ毅然と対応することが重要です。税務調査では税務署の職員が納税者の帳簿や資料を確認し、不正や誤りがないかをチェックします。
このとき、調査に対して誠実に対応することはもちろん、必要以上に怯えたり不必要な情報を提供したりするのではなく、毅然とした態度で対応することが求められます。
特に、正確な帳簿や資料をきちんと準備しておくことで、調査に対する不安を軽減し、スムーズな対応が可能になるでしょう。
また、調査に対して不明点があれば税務署職員に対して質問し、納得のいく説明を受けることも重要です。
必要な書類はコピーを取っておく
税務調査が入った際の対処法として、必要な書類のコピーを取っておくことも重要です。税務署の職員が調査の一環として帳簿や書類を確認する際、原本を持ち帰る場合があります。
そのため、提出前に必ず書類のコピーを取り、自身の手元にも同じ内容の記録を残しておくことが求められます。コピーを取っておくことで、後から確認が必要になった場合や、税務署からの質問に対して迅速に対応できるようになります。
税理士に立ち会ってもらう
税務調査が入った際の対処法として、税理士に立ち会ってもらうことも重要です。税理士は、税務に関する専門知識をもっており、調査官とのやり取りや説明において重要な役割を果たします。
税務調査において、複雑な税制の解釈や調査官からの質問に対して的確に対応するためには税理士のサポートが不可欠でしょう。税理士が立ち会うことで、適切な対応ができるだけでなく税務署とのコミュニケーションが円滑に進むため、調査のスムーズな進行が期待できます。
また、税務調査中に不安や疑問が生じた場合にも税理士が即座にアドバイスを提供してくれるため、安心して対応できる環境が整います。
信頼できる税理士に立ち会いを依頼することで、税務調査の結果に自信をもって臨むことが可能です。
税務調査が来やすい時期
税務調査は、決算後や確定申告後の時期に集中します。多くの場合、税務署は納税者が提出した申告書をもとに、内容に不自然な点や不備がないかを確認します。そのため、決算や確定申告が終わった後の数ヵ月間は、税務調査が集中する時期となります。
また、個人事業主の場合、通常は7月から12月にかけての時期が税務調査のピークとなることが多いです。この時期に調査が行われる理由として、税務署が年度内に調査を完了させる必要があるためです。
さらに、特定の業種や業界においては、年末や年度末にかけて売上や経費が増加しやすいため、この時期に重点的な調査が行われることもあります。
税務調査が来る確率
税務調査が来る確率は、事業の種類や規模、過去の申告内容によって異なります。すべての納税者に対して一律に税務調査が行われるわけではなく、不正が疑われる場合や申告内容に不自然な点がある場合によく行われます。
例えば、売上が急激に増加したり多額の経費が計上されていたりする場合、または申告漏れが多い業種に該当する場合は税務調査が来る確率が高まります。
中小企業や個人事業主に対しては、毎年全体の数パーセント程度の割合で税務調査が実施されると言われていますが、先に挙げた税務調査が入りやすい個人事業主の特徴に当てはまる方は確率が高まります。
まとめ
本記事では、税務調査が入られやすい個人事業主の特徴や税務調査の確率などを紹介しました。
税務調査はすべての事業者が必ず受けるものではなく、さまざまな観点から税務署が優先順位を付けて対応しています。そのため、税務調査の対策がしっかりできていれば10年以上来ないことも少なくありません。
ただ、もちろんいつ税務調査が来るかどうかはわからないため、日頃から対策を十分にしておくことが大切です。
税務調査だけ適切に対応しても、追徴課税や指導は入る可能性はあります。税務調査が入っても冷静に対応できるよう、日々の記帳や申告書は税理士にチェックしてもらうと良いでしょう。
大阪で税務調査の対策でお困りの方は、国税局OB在籍のハートランド税理士法人へご相談ください。無料で相談に乗らせていただきます。
監修:大久保 明信(おおくぼ あきのぶ)
・ハートランド税理士法人 代表社員(近畿税理士会所属、税理士番号:127217)
・ハートランドグループ代表取締役社長
1986年生まれ高知県出身。大阪市内の税理士事務所で経験を積み、2015年に28歳(当時関西最年少)でハートランド会計事務所(現:ハートランド税理士法人)を開業。社労士法人併設の総合型税理士法人として、2024年には顧問先数1,200件を突破。法人の税務顧問を中心に、国税局の複雑な税務調査への対応や経営へのコンサルティング等、顧問先のトータルサポートに尽力中。