遺産相続手続きの流れを8ステップに分けて解説!期限や書類、必要な費用も紹介

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故人から遺産を相続した場合は、相続手続きが必要です。

しかし、どういった手続きが必要で、どのように行えばいいのか、分からない方も多いでしょう。

そこでこの記事では、

  • 遺産相続で必要な8つの手続き 
  • 遺産相続により間接的に発生する8つの手続き 
  • 遺産相続手続きに必要な書類 
  • 相続放棄に必要な書類
  • 遺産相続手続きの期限 
  • 遺産相続手続きに必要な費用

これらについて解説します。

遺産相続手続きについて疑問点がある場合は、ぜひご一読ください。

遺産相続で必要な8つの手続き

遺産相続には、以下8つの手続きが必要です。

  1. 遺言書の確認
  2. 相続財産の調査
  3. 相続人の確認
  4. 単純承認・限定承認・相続放棄の決定
  5. 遺産分割
  6. 遺産分割協議書の作成
  7. 相続税を申告
  8. 相続登記

順番に見ていきましょう。

1. 遺言書の確認

遺言書は、内容によって遺産の受取人や分配額が変わるため、確認が必要です。

遺言書には3つの種類があり、それぞれの詳細・確認方法を以下の表のとおりです。

遺言書の種類詳細確認方法
公正証書遺言・遺言者が公証人に内容を伝え、作成されるもの

・原本を公証役場(公正証書を作成する役場)で保管

・謄本の交付を請求可能

公証役場で照会
秘密証書遺言・遺言者が内容を記載した書面(パソコン・第三者作成可能)

・公証人及び証人2人の前に自分の遺言者であることを申述。遺言者と証人2人と署名押印して作成する。

・遺言書を発見した人が家庭裁判所に届け出て、検認手続きを受けなければならない

自宅といった保管されていそうな場所を探す
自筆証書遺言・遺言者本人が紙に手書きで遺言内容と日付・氏名を記載し、署名の下に押印することで作成

・相続法の改正により、財産目録は自筆でなくても可

・遺言書を発見した人が家庭裁判所に届け出て、検認手続きを受けなければならない

「保管制度」(法務局において自筆証書遺言を保管する制度)を使っていれば、法務局で確認可能。なければ自力で探す

3つの中で秘密証書遺言と自筆証明遺言には「検認」という手続きが必要です。

検認とは相続人に遺言の存在を知らせるためのもので、遺言書の内容を明確にして偽造できないようにする意味があります。

遺言書を見つければすぐに相続手続きができるわけではないので、注意しましょう。

2. 相続財産を調査

引き継いだ遺産がすべて相続財産になるわけではないので、確認のために必要な手続きです。

相続財産の対象になるのは、以下のものです。

  • 預貯金
  • 土地や建物などの不動産
  • 貴金属
  • 保険積立金
  • 有価証券

預貯金や車・不動産などの財産は、相続手続きが必要です。

また、上記のもの以外に住宅ローンといった債務や借金などのマイナスの財産も相続遺産に含まれます。

マイナスの財産も相続税の対象となり申告手続きが必要なことがあるため、相続財産がどれくらいあるのかをよく確認しないといけません。

3. 相続人の確認

相続税には基礎控除(相続税の対象とならない金額)がありますが、これは法定相続人の数によって変動します。

基礎控除額は、以下の計算式で求められます。

<基礎控除の計算式>
・3,000万円+(600万円✖️法定相続人の数)=基礎控除額

法定相続人の数によって基礎控除額が多くなり、場合によっては相続税の支払い・申告が不要になるかもしれません。

相続税額を把握するためにも、相続人が何人かを確認する必要があります。

基礎控除について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

【関連】相続税の基礎控除とは?計算方法、注意点もあわせて解説

4. 単純承認・限定承認・相続放棄の決定

遺産の相続人は、相続方法を3つから選べます。それぞれの相続方法の詳細を、以下の表にまとめました。

単純承認・被相続人の財産をすべて受け継ぐ(マイナスの財産も含む)

・3ヵ月経過すると自動的に単純承認したとみなされるので、手続き不要

限定承認・プラスの財産の範囲内で、マイナスの財産も相続する

・共同相続人全員が限定承認を行う必要がある

相続放棄・遺産を一切相続しない

・家庭裁判所で手続きを行う ※相続開始があった日から3か月以内

限定承認は共同相続人全員が行う必要があり、ハードルが高いためあまり利用されません。

主にプラスの財産とマイナスの財産を把握しきれないときに、マイナス超過を避けるため限定承認を使うことがあります。

基本的には単純承認で相続するか、相続放棄で一切相続しないかのどちらかです。

5. 遺産分割協議

遺産分割とは、被相続人が遺言を残して亡くなった場合に、相続人同士で話し合い遺産を分配していくことです。

遺産分割には3つの種類があり、詳細は以下の表のとおりです。

現物分割・遺産そのものを現物で複数人に分けてそのままの形で受け継ぐ

・長男が不動産、預貯金を次男が相続するなど

・分割方法で特に多い

代償分割・特定の財産を現物で相続する代わりに、他の相続人に金銭といった代償金を支払う

・長男が3,000万円の不動産を相続し、他の兄弟2人に1,000万円ずつ支払うなど

・代償金が支払われる分、他の相続人から不満が出にくい

換価分割・遺産を売却して得た金銭を分割する

・3,000万円で売却した遺産を3人の子どもが相続:現金を1人1,000万円ずつもらえる

・遺産を売却するため、相続人の間で揉める恐れがない

特に多いのは「現物分割」ですが、相続の内容や割合によっては他の分割方法が合うこともあります。

それぞれの分割方法について理解し、適したものを選ぶようにしましょう。

6. 遺産分割協議書の作成

遺産分割協議書とは、前述した遺産分割協議による合意内容をまとめたものです。

作成しておくことで、協議後に揉めてしまうことも防げます。

遺産分割協議書は相続手続きの中で必要な場面が多く、具体的には以下のパターンです。

  • 遺言書がなく法定相続分とは違う遺産相続を行う
  • 遺言書に記載があるが、法的に違法の場合
  • 遺言書に記載されていない遺産を分割する

作成しておくことでスムーズに遺産相続が行えるようになるので、必ず用意しましょう。

7. 相続税を申告

手順に沿って、相続税の申告手続きを進めましょう。

相続税の申告は、被相続人の死亡から10ヵ月以内に行わないといけません。

8. 相続登記

相続登記とは、被相続人名義の不動産の名義を変更する手続きです。

申請手続きは、登記を管理している法務局で行います。

相続登記の流れは、以下のとおりです。

  1. 対象となる物件の調査
  2. 相続人調査
  3. 住民票や固定資産評価証明書などの書類の準備
  4. 遺産分解協議書といった書類を作成
  5. 遺産分割協議署名押印
  6. 法務局へ申請

自分で行うことも可能ですが、作業が少々複雑で誤りやすいです。

そのため、弁護士や司法書士に依頼した方が確実です。

遺産相続により間接的に発生する8つの手続き

遺産相続によって、間接的に以下の手続きも発生します。

  • 社会保険の喪失届
  • 死亡保険の申請
  • 年金の受け取り停止
  • 故人の公共料金の引き落とし口座を変更
  • 故人の戸籍謄本を確認
  • 介護保険証の返却・介護資格喪失届
  • 準確定申告
  • 高額療養費(医療費)の還付請求

期限が設けられているものもあるので、忘れずに行いましょう。

ひとつずつ詳しく解説します。

社会保険の喪失届

被相続人が死亡すると社会保険の資格を失うため、喪失届けを日本年金機構に提出しないといけません。

社会保険の喪失については、健康保険と厚生年金保険の2つの手続きが必要です。

また、保険の資格喪失届けと合わせて健康保険証も提出しないといけないので、事前に用意しておきましょう。

死亡保険の申請

死亡保険の申請は、必要書類をそろえて故人が加入していた保険会社に届け出ます。

必要な書類は、以下のとおりです。

  • 保険証券(保険証書)
  • 死亡証明書
  • 被保険者の死亡記載のある戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)または住民票
  • 受取人様の本人確認書類(運転免許証のコピー、印鑑証明書など)
  • 保険金等受取人の本人確認書類 
  • 保険金等受取人名義の預貯金通帳またはキャッシュカード
  • 印鑑

これらの書類をもとに保険会社が審査を行い、申請が通れば死亡保険金を受け取れます。

年金の受け取り停止

被相続人が年金支給の対象だった場合、受け取り停止手続きを行う必要があります。

手続きを怠ると年金の不正受給となり、国民年金法第111条の規定による罰則(3年以下の懲役または100万円以下の罰金)が課せられます。

【参考】e-Gov法令検索「国民年金法」

受け取り停止は、年金事務所または年金相談センターに「年金受給者死亡届」を提出することで行えます。

年金受給者死亡届と一緒に故人の年金証書、死亡を証明できる書類(死亡診断書のコピーなど)も必要です。

国民年金は死亡日から14日以内、厚生年金は10日以内が手続きの期限なので、忘れずに手続きを行いましょう。

故人の公共料金の引き落とし口座を変更

電気・ガスなどの故人が利用していた公共料金が対象です。

名義変更して引き続き使うか、解約するかのどちらかを選べます。

いずれの場合も、各サービスで管轄の営業所に名義変更・もしくは解約の旨を伝えて手続きを行います。

故人名義の預金口座を使っていたなら、名義変更の際に口座の変更手続きも必要です。

故人の戸籍謄本を確認

戸籍謄本は、戸籍に入っている全員の事項が分かる書類です。

使用するのは、以下の場面です。

  • 健康保険の埋葬料や葬祭料の申請
  • 自動車や不動産の所有権を名義変更
  • 相続税の申請
  • 銀行預金の名義変更
  • 遺族年金申請

故人の戸籍謄本は、故人の最終的な本拠地の役所で取ります。

「故人の一生分の戸籍謄本をそろえたい」と伝えれば、用意できるだけの分を出してくれます。

介護保険証の返却・介護資格喪失届の提出

介護保険証返却と介護資格の喪失届けは、以下の人が対象です。

  • 故人が65歳以上
  • 40〜60歳までの医療保険加入者(第2号被保険者)

介護保険証の返却と資格喪失届けの提出は、それぞれ故人の死亡から14日以内が期限です。

介護保険料に未納分があった場合、相続人が代わりに納めないといけません。

また、故人とともに生計を立てていた遺族は、未支給年金や払いすぎた分の還付請求できる可能性があります。

該当する場合は必要書類が届き、手続きを行えます。

準確定申告

準確定申告とは、故人の生前の所得に対する確定申告です。

申告対象の所得と税金は、亡くなった年の1月1日から亡くなる日までのものです。

準確定申告は、以下の場合に必要となります。

  1. 給与収入が2,000万円以上
  2. 給与所得・退職所得以外の収入が20万円以上
  3. 2ヵ所から給与をもらっている
  4. 公的年金などによる収入が400万円以上
  5. 公的年金などによる雑所得以外の所得が20万円以上
  6. 生命保険の満期金や一時金を受け取っていた
  7. 土地や建物を売却した
  8. 事業所得・不動産所得がある

申告期限は4ヵ月で、相続税の期限の10ヵ月よりも短めなので注意しましょう。

高額療養費(医療費)の還付請求

公的医療保険には、医療費の支払いによる個人負担を減らすため「高額療養費制度」が設けられています。

1ヵ月に支払う医療費が自己負担の限度額以上だった場合に、超えた分の金額が払い戻されます。

故人が生前に支払った医療費にも適用され、死亡後でも代理人は還付請求が可能です。

限度額以上の医療費を支払っていた場合は、還付請求を行いましょう。

遺産相続手続きに必要な書類

遺産相続手続きには、以下の書類が必要です。

  • 不動産相続のための書類
  • 遺言書に関する書類

どれかが足りないだけでも、遺産相続がスムーズに行えません。

そのようなことがないよう、必要な書類を確認していきましょう。

不動産相続のための書類

不動産相続の手続きは、ほとんどが書類の準備です。

遺言書がない場合、不動産相続には以下の書類が必要です。

  • 相続人全員の戸籍謄本(被相続人死亡日以降のもの)
  • 被相続人の戸籍謄本(出生時から死亡時までのすべて)
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 遺産分割協議書
  • 不動産を相続する相続人の住民票
  • 不動産の登記事項証明書
  • 不動産の登記事項証明書
  • 被相続人の住民票の除票(本籍の記載のあるもの)

これらをそろえ、不動産登記の変更を法務局に申請します。

また、不動産登記には専用の申請書が必要です。詳細は、法務局のホームページを参考にしてみてください。

【参考】法務局「不動産登記の申請書様式について」

遺言書に関する書類

遺言書に関する書類は、作成と相続手続きで必要なものがあります。

必要な書類を以下の表にまとめました。

遺言書の作成・印鑑登録証明書
・戸籍謄本
・本人確認書類(写し)
遺産をもらう(相続人)遺言者との続柄が分かる戸籍謄本
遺産をもらう(相続人以外)住民票
土地・建物関係(相続登記)・登記事項証明書
・固定資産評価証明書か固定資産課税通知書のどちらか
預貯金・株式関係通帳や証券等のコピー
・預貯金・株式などの内容のメモ
その他の財産・内容を記したメモ

受け継ぐ遺産によっても必要な書類が変わるので、何が必要なのかを把握しておきましょう。

 

相続放棄に必要な書類

相続を承認する人がいる一方で、相続放棄は、亡くなった方の遺産を一切受け継がないという法的な手続きです。

例えば財産よりも債務の方が大きい場合や相続に関わりたくない場合などは相続放棄を選ぶ方も多いでしょう。

この手続きには、いくつかの必要書類を準備し、家庭裁判所に提出する必要があります。

以下に、相続放棄に必要な書類について詳しく解説します。

相続放棄申述書

相続放棄の意思を示す書類で、家庭裁判所に提出します。

裁判所のウェブサイトから書式をダウンロードでき、申述書には、被相続人と申述人の情報、相続放棄の理由などを記載します。

被相続人の住民票除票または戸籍附票

被相続人の最後の住所地を証明する書類で、住民票除票は市区町村役場で取得できます。

また、戸籍附票は本籍地の市区町村役場で取得できます。

申述人の戸籍謄本

申述人が相続人であることを証明する書類で、本籍地の市区町村役場で取得できます。

被相続人の戸籍謄本

被相続人の代襲相続人が相続放棄を申述する場合は、被相続人との関係を証明するために、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本が必要です。

また、相続人を特定する必要がある場合や先順位の相続人が存在しないことを証明する必要がある場合にも被相続人の戸籍謄本を用意しなければなりません。

本籍地の市区町村役場で取得できます。

被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本

申述人が被相続人の配偶者の場合・申述人が代襲相続人・第二順位の相続人(父母や祖父母)もしくは第三順位(兄弟姉妹)である場合にはこの書類が必要になります。

被相続人の本籍地のある市区町村の役所で取得できます。

相続放棄の手続き時にはさまざまな書類が必要ですが、いずれの書類も本人確認書類が必要です。

また、家庭裁判所によって必要書類が異なる場合があるため、あらかじめ確認しておいた方が安心です。

遺産相続手続きの期限

遺産相続手続きには、以下の表のとおり期限があります。

介護保険喪失届・世帯主の変更届死亡から14日以内
相続放棄・限定承認3ヵ月以内
準確定申告及び還付請求4ヵ月以内
相続税の申告10ヵ月以内
遺留分侵害額請求1年以内
国民年金の死亡一時金の請求2年以内
生命保険の請求3年以内
遺族年金の請求5年以内
遺産分割協議なし
預貯金等の解約・名義変更なし

相続登記は、義務ではないため期限が設けられていません。

それにより土地の所有者が分からないことが問題視されていたため、2024年を目処に3年以内の登記が義務付けられる予定です。

また、義務化されていない2021年6月現在でも、相続登記を行わないことは不動産を売れない・権利関係が複雑になるというデメリットがあります。

相続登記は先延ばし・放置せず、早めに行っておくのがおすすめです。

期限がある手続き・期限がない手続きについて詳しく解説していきます。

期限が決まっている手続き

遺産相続手続きには、期限が決まっている手続きがいくつか存在します。

これらの手続きを期限内に行わないと、本来受けられるはずの権利を失ったり、加算税や延滞税など余計な税金を支払う必要が出てくる可能性があります。

こちらでは、期限付きの代表的な手続きについてさらに詳しく解説します。

相続放棄・限定承認(3ヶ月以内)

相続放棄は、被相続人の借金など、マイナスの財産を相続したくない場合に選択します。

期限内に手続きをしないと、単純承認したとみなされ、すべての財産(借金などの債務を含む)を相続することになります。

限定承認は、プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いか不明な場合に、プラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続する手続きです。

こちらも期限内に手続きが必要です。

3ヶ月の期限は、延長が認められる場合もありますが、基本的には厳守する必要があります。

準確定申告(4ヶ月以内)

準確定申告とは、故人が亡くなった年の1月1日から死亡日までに確定した所得税を、相続人が代わりに申告・納税する手続きです。

通常の確定申告と同様に、所得の種類や金額、各種控除などを計算し、税額を確定させます。

主に、被相続人が事業所得や不動産所得など確定申告が必要な所得を有していた場合や、生前に医療費控除や住宅ローン控除など、確定申告によって還付を受けられる可能性があった場合に行う必要があります。

準確定申告を行うことで、故人が生前に多く納めた所得税の還付を受けられる場合があります。

還付請求は、準確定申告書に必要事項を記載し、税務署に提出することで行います。

相続税の申告・納付(10ヶ月以内)

相続税は相続によって取得した財産にかかる税金で、期限内に申告・納税しないと、延滞税や無申告加算税などが課される可能性があるため注意してください。

相続税は、財産の評価額や相続人の数などによって税額が大きく変動するため、特に相続財産の金額が高い場合や違う種類の財産が複数ある場合には、税理士に相談して正確な税額を把握した方がよいかもしれません。

期限が決まっていない手続き

一方で、遺産相続手続きの中には、期限が明確に定められていない手続きも存在します。

主に上の表に記載している3つが無期限で手続き可能ですが、これらの手続きも早めに進めることを推奨します。

相続登記

相続登記は、不動産の名義を被相続人から相続人に変更する手続きです。

先述した通り、2024年4月1日から3年以内の登記が義務付けられますが、それまでは法律上の期限はありません。

しかし、放置すると不動産の売却や担保設定が困難になるため、早めの手続きが推奨されます。

遺産分割協議

遺産分割協議は、相続人全員の合意によって遺産の分け方を決める手続きです。

法律で期限は定められていませんが、相続税の申告期限(10ヶ月以内)までに合意に至ることが望ましいです。

預貯金等の解約・名義変更

預貯金や有価証券などの解約・名義変更も、法律上の期限はありません。

しかし、放置すると凍結された口座に対して相続人全員の同意がないと解約・払戻しができなくなる可能性があります。

また、有価証券は放置すると配当金や株主優待を受け取れなくなるだけではなく、相続人が管理方法を知らないと、価値が下落するリスクもあります。

これらの背景から、期限がない手続きであっても、後回しにせずにできるだけ早く手続きをしておくと安心です。

遺産相続手続きに必要な費用

相続手続きにどれくらいの費用がかかるのか、疑問に感じていないでしょうか?

相続手続きには、以下の費用が必要です。

  • 書類の取り寄せにかかる費用
  • 相続登記の費用
  • 遺産分割協議の作成にかかる費用

順番に見ていきましょう。

書類の取り寄せにかかる費用

遺産相続の各種書類は、取り寄せ・発行にも費用がかかります。

書類ごとに必要な費用を以下の表にまとめました。

印鑑登録証明書300円
住民票の発行・除票300円
固定資産評価証明書1件400円(2件目以降1件100円)
戸籍謄本450円
登記事項証明書600円
除籍謄本750円

書類ひとつひとつの費用は、それほど多くありません。

上記の金額を支払えるお金を持って、手続き場所に行きましょう。

相続登記の費用

相続登記には「登録免除税」がかかります。

登録免除税は登記手続きで国に支払う税金のことで、以下の計算式で求められます。

<登録免除税の計算式>
固定資産税評価額 × 0.4%=登録免除税

仮に固定資産税評価額が1,000万円なら、4万円が登録免除税として必要です。

上記の計算式で求められる金額を法務局に支払いましょう。

遺産分割協議書の作成

遺産分割協議書は、司法書士や弁護士に依頼して作成することが多いです。

作成費用は遺産総額の0.3%~1%が目安で、遺産総額が小さいほど割合が大きくなります。

  • 遺産総額1,000万円未満:0.5〜1%=5〜10万円
  • 遺産総額1億以上:0.3%程度=30万円

また、司法書士や弁護士に遺産分割に関する交渉も依頼していれば、さらに費用が必要です。

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遺産相続には必要な作業が多く、自分で行うには手間がかかり過ぎます。

そのため、相続の手続きは自分で行うのではなく、専門家に依頼するのが得策です。

相続手続きを行える士業はさまざまですが、税理士に依頼すると適切な控除・特例が受けられる、税務調査の確率が下がるなどのメリットがあるのでおすすめです。

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